第八回 働き方改革の特効薬?勤怠管理システムの主な機能と導入メリット

働き方改革を推進していくにあたり、勤務体系の見直しを検討されている企業も少なくないかと思います。勤務体系を見直しつつ、業務の効率化をはかるには、システムなどのITツール活用が効果的です。当社(株式会社ビーブレイクシステムズ)実施のアンケートでも、「働き方改革推進のために、どのようなITツールが必要か」という設問に対し、約4割もの企業が「人事・総務系システム(勤怠・人事・給与など)」をあげています。

しかし、システムと一口にいっても、具体的にはどのような機能が備わっており、導入することによってどのようなメリットがあるのでしょうか。今回は、人事・総務系システムの中でも勤怠管理システムに焦点を当てて、主な機能や導入メリットについて見ていきたいと思います。

 

勤怠管理システムの主な機能

 

まず、勤怠管理システムの主な機能について、日々の勤怠管理業務と照らし合わせながら見ていきましょう。提供される機能範囲はシステムによって異なるため一概にはいえないですが、概ね下記のような機能が備わっています。

出退勤時間のシステム上での記録(打刻)

勤怠管理システムの一番基本となる機能です。出勤時間および退勤時間、あるいは外出時間などを記録します。近年ではクラウドシステムの普及やテクノロジーの進化により、PC上での打刻以外にも、ICカードによる打刻、指紋や静脈といった生体認証による打刻、スマホでの打刻など、ニーズに応じて様々な打刻手段が提供されています。そのため、紙やエクセルなどでは防ぐことができなかった、なりすまし等を防止することで情報の正確性を向上させたり、営業担当や社外に常駐している社員、リモートワークなどを利用しオフィスに出勤しない社員も手軽に利用できるようになりつつあります。

残業、休暇、直行直帰などの申請承認

勤怠管理のためには、勤務時間だけでなく休暇や残業時間の管理も必要です。また、無意味な残業を抑制するため残業を許可制にしたり、訪問先への直行直帰を認める企業も多いことと思います。ほとんど勤怠システムは、こうした情報を申請承認ワークフロー込みで管理できます。

勤務体系に応じた勤務時間の集計

システム上に登録された勤怠データを基に、勤務時間や残業時間などを集計します。しかし、勤務時間の集計のためには、出退勤のデータだけではなく、各社員がどのような就業体系で働いているかを把握しなくてはなりません。言わずもがなではありますが、フレックス制、時短制、裁量労働制など、勤務体系によって所定労働時間や残業時間の計算方法は変わるからです。勤務体系や勤務時間の集計には、労働基準法が密接に関わってきますが、多くの勤怠管理システムでは労働基準法の改正等に対応した製品開発を行っています。

また、例えばアルバイトスタッフが多いサービス業向けの勤怠管理システムであればシフト勤務に対応するなど、ある業種に特化して利用しやすい機能を提供しているシステムもあります。

給与計算用データの作成

集計された勤務時間を基に給与計算を行います。しかしながら、給与計算のためには勤務時間をはじめとした勤怠情報だけではなく、保険料を計算して控除するなど、単なる勤怠管理システムには登録されていない情報が必要です。そのため、純粋な勤怠管理システムでは、勤務時間を集計・計算し、給与計算を行うための基データを作成するまでを範囲としていることが多いです。

勤怠管理システムの導入メリット

 

ここまで、勤怠管理システムの主な機能を見てきましたが、勤怠システムを導入することにより具体的にはどんなメリットが得られるでしょうか。

勤務時間入力の手間軽減

今までどのような形で勤務時間を入力しているかにもよりますが、システム上やその他手段を用いて、ワンアクションで勤務時間の入力ができるようになります。特に、働き方が多様化していくことが考えられる現在、1日中社内にいなくても勤務時間を把握できるスマホなどでの勤務時間入力への需要は、ますます高まっていくでしょう。

勤務時間の「客観性」の確保

前の記事で述べた通り、会社で管理する勤務時間には客観性が今後ますます求められます。システムという電子データで勤務時間を記録することで、記録の客観性が担保されやすくなります。また、上でも述べた通り打刻方法が多様化したことで、「Aさんの打刻記録は、ほんとうにAさんが打刻したものか」というデータの正確性も確保できるようになっています。もっとも、客観性を確保するためには、ただシステムを導入するだけでは不十分です。

例えばPCの稼働時間と突き合わせてシステムに登録されたデータのチェックを行う、オフィスの入退室時間と整合性をとる、遠隔地にて勤務の開始終了を確認するためのツールを取り入れるなどの「実際に勤務していた時間を正確に把握する」ための業務設計が必要です。

集計作業の自動化による業務効率化

入力されたデータはシステム上に保存され、勤務時間が自動集計されます。月末に人事担当者が各社員からデータを集める必要がなくなり、また計算業務も簡略化するため、データ集計に課題のある企業であれば、かなりの業務効率化が見込まれます。働き方が多様化していくことにより勤務体系も複雑になっていくと、それだけ勤務時間の計算も手間がかかります。システムを導入すれば人事担当者がそれらの計算や集計作業に苦しめられずにすむようになります。

残業の抑制

システムの導入それ自体によって得られる効果ではありませんが、システム導入がきっかけで残業を抑制できたという事例もございます。効果がでるポイントとしては3つほど考えられます。

  • 残業を事前許可制にする

勤怠管理システムの多くには残業時間の申請機能が備わっています。これを利用し、「事前に許可をとらなければ残業を行うことができない」という社内ルールを設定することにより、残業を抑制する効果が期待できます。

  • 自身の勤務時間を見える化する

自身の勤務時間を、感覚値ではなくデータとして一覧化できるようになることで、時間管理の意識が浸透し無意味な残業を抑制する効果が期待できます。また、前の月や去年の同月など、過去実績との比較も容易になるため、自身や、社全体の業務量の傾向などを測る材料としても活用できます。

  • 残業時間の多い社員に注意喚起を行う

集計されたデータを基にして、残業が多い社員を抽出し当該社員や上長に注意喚起を促すことも可能です。労働基準法改正により残業時間の上限が定められましたが、そのような法令遵守にも役立ちます。

集計データの活用

勤怠管理と密接に関わる業務に給与計算がありますが、集計された勤怠情報を用いて給与計算を行うことができるため給与計算業務の効率化にも貢献します。また、上にあげた残業抑制、あるいは以前の記事で取り上げた工数情報と連携することで生産性を測るなど、勤怠情報を活用し様々な業務の効率化やデータ活用をスムーズに行うことができます。

 

いかがでしょうか。勤怠管理ひとつを見るだけでも、システム導入によって様々なメリットを得ることができます。勤怠管理システムによって、日々の業務が効率化されるイメージをつかんでいただければ幸いです。