業務管理システム選定時のポイント(6)クラウドERP導入時・運用保守段階のよくある課題と対応策

前回の「業務管理システム選定時のポイント(5)クラウドERPを選ぶべき企業」にて、どのような企業がクラウドERPに向いているかを紹介しました。

今回はクラウドERPの営業担当である筆者が、クラウドERPを選ぶべき企業向けに、クラウドERPを導入する際および導入後の運用保守段階によくある課題やその対応策について紹介していきます。

 

クラウドERP導入時・運用保守段階の主な課題

クラウドERP導入時・運用保守段階には、主に次のような課題があげられます。

  • 自社の業務をクラウドERPに合わせる必要がある
  • 設定が上手くいかず、稼働するまでに時間がかかる
  • 利用人数が増加し、費用が高額になってしまう

 

この3つの課題について個別に見ていきましょう。

 

自社の業務をクラウドERPに合わせる必要がある

クラウドERPは用意されている標準機能を利用するため、現行の業務フローを再現できない場合はERPに業務を合わせる必要があります。事前にベンダーとの打ち合わせやトライアルで検証をした場合でも、実際に現場担当者などが使ってみると業務に合わないことが判明した、といったケースも少なくありません。特にExcel管理などで業務が属人化してしまっているという企業では、担当者毎の業務内容を完全に把握できておらず、検証に漏れが発生してしまう可能性もあります。

 

「せっかくクラウドERPを導入したが一部業務は現行の運用ままにしなければならない」といった事を防ぐためにも、導入時には次のような対応が有効と考えられます。

 

自社の業務フロー図を作成しておく

事前に自社の業務フロー図を作成しておくことで、各業務において必要な機能が浮き彫りになり、ベンダーや現場担当者との情報共有がしやすくなります。

IT業界などでは「As-Is」「To-Be」といった単語が用いられることもありますが、現行の業務フロー(As-Is)と理想の業務フロー(To-Be)を可視化することによって、必要な検証作業を適切に行うことが可能となります。

 

現場担当者がトライアルを実施する

ERP導入時には専任のチーム・プロジェクトを立ち上げ、その方々が主軸となって検証を進めていくといった企業が多いです。ただし、チームの人員のみで検証を完了させてしまうと前述のような事態になりかねません。

検証の際には、実際にクラウドERPを利用する現場の担当者がトライアル等を実施し、「それぞれの業務に適した機能を有しているか」、「漏れなく業務を遂行できるか」など、実際の業務フローに基づいた検証することが重要です。

 

設定が上手くいかず、稼働するまでに時間がかかる

クラウドERPは設定を自社で行う場合がほとんどですが、「他業務が忙しくて設定に時間が割けない」「業務フローを実現するための設定方法が分からない」などの理由から、予定していた稼働時期から大きく遅れてしまったというケースがあります。

設定方法が不明な場合はベンダーに相談するか、有償のサポートなどを受けることで解決できる場合が多いですが、時間については自社で管理・計画する必要があります。

 

特に「現行システムのサポートが切れる」、「いつまでに法改正対応をしなければならない」といった企業には、次のような対応を推奨しています。

 

専任の担当者を用意しておく

「普段の業務と並行して設定作業も行う」といった場合、普段の業務が忙しくなった際に設定作業が実施できなくなります。

実際に導入がスムーズに進んでいる企業は、専任の担当者が主導で設定を行うため「いつまでにこの部分の設定を終わらせる」といったスケジュール調整がしやすく、またスケジュール通りに導入を進められています。

 

なるべく早い段階から導入を開始する

クラウドERPは稼働した月からではなく、導入した月から利用料金が発生する場合がほとんどです。そのため「費用をなるべく抑えるために稼働時期に近づいてから導入を開始する」ことがありますが、こういったケースのほとんどは設定作業に時間がかかる影響で稼働が間に合わなくなります。

検討を開始してから稼働までに期間がある場合でも、なるべく早い段階から導入を開始し、稼働の1,2ヶ月前には現行システムとの並行稼働を行うなど、余裕を持った計画を立てることが重要です。

 

利用人数が増加し、費用が高額になってしまう

クラウドERPは基本的に、利用人数によって月額・年額の利用料金が変動します。企業によっては、初めは利用人数も少なく安く利用できていたのに、利用範囲の拡大・社員数の増加などから利用料金が高額になってしまうというケースも存在します。

「費用を抑えるためにクラウドERPを選んだが、結果的に高くついてしまった」とならないためにも、以下のような対応を推奨しています。

 

費用の増加をあらかじめ予想し、オンプレ版ERPとの費用を比較する

オンプレ(オンプレミス)版ERPの費用がある程度判明している場合には、クラウドERPの「想定利用年数」「想定利用者数」などをもとに、「何年使ったらトータルでどのくらいかかるか」を計算してオンプレ版との費用を比較することが望ましいです。

また、当社ビーブレイクシステムズが提供している「MA-EYES SaaS+」はクラウドERPでありながら、ライセンス数に関わらず利用料金が固定のため、途中で利用料金が増加するといったリスクがありません。

「クラウドERPを導入したいがランニング費用の増加は抑えたい」といった場合は、そのようなERPを探してみるのもいかがでしょうか。

参照:クラウドERP MA-EYES SaaS+

最後に

クラウドERPにはオンプレ版ERPと比べて「早く稼働できる」「費用が抑えられる」などのメリットがありますが、実際に導入してみると今回紹介したような課題が出てくることも想定されます。

様々な対応策を紹介してきましたが、どの課題にも共通して言えることは「事前にリスクを予測しておく」ことです。

 

当社が提供しているMA-EYESはこういったリスクを含め専任の営業担当者がお客様のERP導入をサポートします。「ERPを導入したいが、初めてで分からないことが多い」、「無事に導入を進められるか不安」などといった場合は、是非お気軽にお問い合わせください。

 

MA-EYESに関するお問い合わせ

 

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筆者プロフィール

Kose
Koseビーブレイクシステムズ
休日はペットを愛でながらお酒を飲んでいます。

【オンラインセミナー定期開催中】法改正、IT導入補助金、内部統制、業務の効率化など

ビーブレイクシステムズでは法制度改正へのITでの対応や業務の効率化に役立つツールに関するセミナーなどを定期的に開催中です。
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