業務管理システムの導入による業務効率化のメリット(1)レポート作成の省力化と決算の早期化
目次
レポート作成の省力化
システム導入によるメリットの1つとして「レポート作成の省力化」が挙げられます。具体的にどのようなことなのか、Excelで業務を管理している企業において、「案件/プロジェクトごとの4月の利益を確認するためのレポート」の作成を例に見ていきましょう。
システム導入前
「案件/プロジェクトごとの4月の利益を確認するためのレポート」を作成するためには、次のような作業が発生します。
(1)データ投入
・案件/プロジェクトごとの4月の売上をExcelに記入する
対象月 | 得意先名 | 案件名 | 案件番号 | 売上高 |
4月 | 得意先A | 案件① | A100 | ¥700,000 |
4月 | 得意先B | 案件② | B200 | ¥300,000 |
・案件/プロジェクトごとの4月の原価(外注費/経費/人件費)をExcelに記入する
対象月 | 費目 | 案件名 | 案件番号 | 原価 |
4月 | 外注費 | 案件① | A100 | ¥400,000 |
4月 | 経費 | 案件② | B200 | ¥50,000 |
4月 | 人件費 | 案件② | B200 | ¥100,000 |
(2)データ集計
・案件/プロジェクトごとの4月の売上と原価をもとに利益を算出する
対象月 | 案件名 | 案件番号 | 売上 | 原価 | 利益 |
4月 | 案件① | A100 | ¥700,000 | ¥400,000 | ¥300,000 |
4月 | 案件② | B200 | ¥300,000 | ¥150,000 | ¥150,000 |
(3)レポート作成
【案件/プロジェクトごとの4月の利益】
案件名 | 利益 |
案件① | ¥300,000 |
案件② | ¥150,000 |
合計 | ¥450,000 |
上記はデータの件数も少なく、非常に簡単なレポート作成の例ですが、実際は案件/プロジェクトの数によって膨大なデータを投入・集計する必要があります。また、「得意先ごとや部署ごとの利益を確認するためのレポート」「4月から9月の推移を表したグラフ」などを作成しようとした場合、より複雑なデータ集計やレポート作成が必要となり、多くのコストが発生してしまいます。
システム導入後
前述のようなレポート作成にかかる作業は、業務管理システムの導入により効率化することが可能です。ここでは、具体的なレポート作成におけるシステム導入のメリットをご紹介します。
・データ投入作業の効率化
Excel業務で案件/プロジェクトの管理が属人化している場合、データの形式や粒度は各担当者の裁量に依存するものとなります。対して、システムで管理をする場合、データの入力方法が統一化されるだけでなく「システムによるデータチェック」や「承認ワークフローを流すことによる目視でのチェック」によって、手作業によるデータ投入時のミスが低減されます。
ビーブレイクシステムズが提供している業務管理システムの「MA-EYES」では、
- 売上予定の金額が請求予定の金額と一致しているか
- プロジェクトの期間外に売上/原価が発生していないか
- 必須項目にデータが入力されているか
等といったチェックをシステム上で行うため、データの正確性向上に貢献します。
・データ集計作業の効率化
Excel管理の場合、データの集計は基本的に手作業で行うことになりますが、システムを利用している場合は投入されたデータをもとに自動で集計を行います。この際、特に複雑な操作や設定などは必要なく、日々の業務で発生したデータをシステムに入力していくだけで集計が行われるため、「Excelのシート間でデータを移動する」、「別のファイルからデータを転記する」などといった作業も不要となります。
・レポート作成作業の効率化
「システムで自動集計したデータをもとにレポート作成を行う」だけでも、レポート作成作業が大きく効率化されることが明白かと思いますが、システムによってはボタン1つでレポート作成ができてしまうものもあります。
こちらの画像は先ほどご紹介した「MA-EYES」の機能である「プロジェクト収益性」という画面のキャプチャになります。プロジェクトを指定して読み込むことで、月ごとの売上/原価の予実が数値とグラフで確認できるレポートです。
システムによって作成できるレポートは異なりますが、「画面上で確認できるレポート」「Excelで出力するレポート」「BIツールと連携して作成するレポート」など、手作業で作成するよりも柔軟かつ簡単にレポートが作成できるというのは、業務管理システムを導入する大きなメリットと言えます。
PowerBIという無料のBIツールを利用したレポートの作成については、別記事にて紹介しています。興味がある方は特集「PowerBI活用」を是非ご覧ください。
決算の早期化
ここまで、レポート作成に関するメリットを紹介してきましたが、それに関連して「決算の早期化」も業務管理システムの導入によるメリットとして挙げられます。
決算申告を行うためには「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」といった書類が必要となりますが、システム無しでこれらを作成するには非常に多くのコストが必要となります。前述の内容と繋がりますが、業務管理システムの導入によって「正確性のあるデータ」を「自動的に集計する」ことが可能となるため、決算にかかるコストを大幅に削減し、「決算の早期化」に大きく貢献します。システムによっては「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」といった書類をボタン1つで作成できたり、会計システムに仕訳データを連携させたりすることができるものもあります。
最後に
日々の経理業務や決算にお悩みの企業や担当者の方には、業務管理システムの導入は大きなメリットがありますが、もちろんシステム導入にもコストは発生します。システム導入において「費用対効果」は重要な判断ポイントですが、本記事の内容が少しでも、システム導入を検討する際の一助になれば幸いです。
また、記事の中でご紹介したERPパッケージシステム『MA-EYES(エムエーアイズ)』についてご興味いただけましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
MA-EYESに関するお問い合わせ
※掲載されている商品名またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。
筆者プロフィール
- 休日はペットを愛でながらお酒を飲んでいます。
最新記事一覧
【オンラインセミナー定期開催中】法改正、IT導入補助金、内部統制、業務の効率化など
いま解決したい課題のヒントになるかもしれません。ぜひお気軽ご参加ください!