第九回 導入効果を上げる 勤怠システム導入時にチェックすべき5つのポイント

「第八回 働き方改革の特効薬?勤怠管理システムの主な機能と導入メリット」で、勤怠管理システムの主な機能やシステム導入のメリットについてお話をしました。今まさに、勤怠管理システムの情報収集や導入検討をされている担当者もいらっしゃるかと思います。しかしながら、世の中に出回っている勤怠管理システムは非常に種類も多く、どういった基準でシステムを選定することが望ましいか、お悩みの担当者も少なくないのではないでしょうか。今回は、勤怠管理システムにおいて、選定時にチェックするべき5つのポイントをまとめました。

利便性

勤怠管理システムは基本的に社員全員が利用するシステムなので、各社員がストレスを感じることなく利用できるシステムであることが望ましいです。特に、「入力」と「集計」時にスムーズなシステム利用が可能か、がポイントになります

入力については、日々の勤怠入力がスムーズにできるような仕組みを持ち合わせているかをチェックしましょう。勤怠入力の方法としてはPC上、スマホ、ICカードなどいくつか考えられます。また、勤怠入力や休暇・残業など各種申請等を行う際の、システム操作自体が簡単であるか、も重要です。

就業場所が複数あるあるいはアルバイトの方を大勢雇用している企業の場合には、勤怠入力の方法が複数必要になる場合もあります。入力方法を複数用意する場合には、各社員の利便性を確保しつつも、データの集計を行いやすいことが望ましいです。例えば、社外で勤務する社員が多い場合にはスマホ等での打刻が可能なシステムを検討する、スマホ打刻等が活用できない社員もいる場合には、一部エクセル等も活用しつつ外部でデータを作成し勤怠管理システムに取り込むという選択肢が考えられます。

 

自社で採用している(予定がある)勤務体系への対応

労働基準法の改正をはじめ、多様な働き方を推進する動きが強まる中で、柔軟な勤務体系を取り入れる取り組みを進めている企業もあることでしょう。勤怠管理をシステム上で行うためには、自社の勤務体系がシステム上で管理できるかをチェックする必要があります。

勤怠管理システムを開発している一般的なベンダーは、基本的に労働基準法等の改正には都度対応し、バージョンアップや改修を行うはずです。しかし、労働基準法はあくまでも「最低ライン」を定めているにすぎないため、企業によってはシステムでは対応しきれない独特の制度を設けているケースもあります。

特に見落とされがちなのが、休暇の管理に関する要件です。時間休対応、特別休暇の付与や消滅、残数の管理など、自社で「当たり前」と思っている運用でも、システムでは想定されていない可能性も大いにあります。勤務体系、残業のルール、休暇のルールなど、基本的な就業規則を整理した上で、システム毎の対応可否や運用方法を確認しましょう。

システムでの管理範囲

今日販売されている勤怠管理システムには、シンプルに出退勤の打刻および勤務時間の集計のみを行うものから、周辺業務である給与計算や人事管理、あるいは勤怠と同じく社員全員が活用する経費管理、グループウェア(情報共有)、工数管理など幅広い領域をカバーしているものまで様々です。

もちろん高機能なものは費用も跳ね上がりますが、システムによっては機能のモジュールごとに金額設定されている場合もあるので、はじめは必要最低限の範囲を導入し将来的な拡張性を見込む、という選択方法もあります。システム上で何を管理したいかを考え、必要な機能やあれば使いたい機能など優先順位をつけて整理しておきましょう。

場合によっては勤怠管理システム単体ではなく、他システムや既存システムとの連携を考慮する必要があります。その場合は、具体的にどのような製品と連携可能なのか、データ出力は可能なのかなどをチェックしておくとよいでしょう。

 

費用

数ある業務管理システムの中でも特に、勤怠管理システムは低価格で使い勝手の良い製品が増えてきました。スタートアップ企業や小規模企業などで、純粋な勤怠管理のみを機能として求めるのであれば、無料で利用できるもの、あるいは1ユーザあたり数百円程度で利用できるものが多くあります。

特に、勤怠管理システムの導入がはじめての場合は、どのような機能が本当に有意義なのかの判断が難しいこともありますので、まずは低価格の商品を利用してみてグレードアップしていくことも1つの選択肢です。

また、先程の「システムでの管理範囲」の話にも繋がりますが、財務会計システムなど、すでに導入済みの業務管理システムがあれば、それらと同一会社が提供するサービスを利用することで総導入費用を抑えつつ、データ連携がスムーズにいくなどのメリットを享受できることもあります。

一方、すでに他システムを導入したことがありシステムで実現したいことが明確にあったり、特に多くの自社ルールを盛り込んだ会社の仕組みごとシステム化することを検討されている場合は、多少値が張っても高機能な製品を選択した方が業務効率化につながります。目安として、パッケージシステムであれば、初期費用として数十万~数百万円くらい投資することができれば、高機能な勤怠管理システムを導入することも十分に可能です。

導入形態

システムには、システムを自社専用とせずサービスとしてインターネットを経由して利用する「クラウド型」と、自社専用のものとして導入および運用する「オンプレミス型」があります。純粋な勤怠管理を行うシステムの場合は、クラウド型で提供されているものが非常に多く、近年の主流になっています。クラウドシステムは、

  • 低価格および短い期間で導入できる
  • インターネットに接続できる環境であればすぐに利用できる
  • 月額利用サービス形式が多く、合わなければ容易に利用中止できる

などのメリットがあります。総じて手軽に利用できるため、まずは数人で試してみる、といった導入も可能です。

一方で、

  • 個々の会社要望に合わせたカスタマイズが難しい
  • 他システムとの情報連携が難しい
  • 社外にサーバを置くため、セキュリティ面に不安が残る
  • 利用人数が多い場合には、利用料が高額になる

などのデメリットもあるため、セキュリティ面の要求が高くクラウドは受け入れられない、自社独自の業務にシステムを合わせたい、勤怠情報と他システムとを連携したい、利用ユーザ数が多い場合などには、総じてオンプレミス型を選択した方がメリットは出やすいです。

 

 

いかがでしたか。一口に勤怠システム選定といっても、様々なチェックポイントがあります。自社にとってよりよい勤怠システムとはどのようなものかを探るヒントとなれば幸いです。