紙の文書はもう要らない?ワークフローシステムで社内稟議を効率化

「経費精算は会社に戻ってから」
「申請書に手書き、エクセルに打ち込み」
そんな紙文書による悪習慣が染み付いていませんか?

 

煩わしい稟議に悩まされている企業に向けて、ワークフローシステムの導入による効果を紹介します。

 

ワークフローシステムとは?

業務の一連の流れをコンピューター上で行えるようにしたものがワークフローシステムです。承認フローをあらかじめ定義しておくことで、システム上で稟議書を回付することができます。

 

紙文書のデメリット

紙文書での運用には以下のようなデメリットが挙げられます。

 

手作業による手間・ミス

レシートや領収書の記入、貼り付け作業、金額の計算など、経費精算1つをとっても様々な手間がかかります。

また、手作業のために記入漏れや計算ミスが生じ、申請者・承認者双方に無駄な作業が増えてしまうことも考えられます。

 

申請書の手渡し、郵送

申請書は記入して終わりではなく、承認者に届ける必要があります。

しかし、承認者が離席中の場合や、そもそも承認者が誰か分からない場合、確認作業などにより対応の遅れが生じます。

最近では在宅での勤務を推奨する企業も増えました。それによって更に困難になった申請書の手渡しに加え、印刷や郵送などの手間も懸念されます。

 

紛失の危険性、保管場所の確保

紙文書は他の書類と混在して処分してしまうことや、発見に時間がかかる可能性があります。

また、申請の度に書類が増え、管理スペースの確保や管理方法の工夫のために時間を取られてしまいます。

 

集計作業の煩雑さ

月次作業では、承認後に経費精算などのデータを会計システムへ入力する必要があります。入力だけでなく、金額にずれが生じた際の確認・修正などにも手間がかかり、集計作業に多くの時間を費やすことになってしまいます。

 

ワークフローシステムでできること

ワークフローシステムは、これらの課題解決に貢献します。

計算・確認作業の自動化

ワークフローシステムでは、統一されたフォームを利用して様々な申請書を作成します。

例えば経費精算では、伝票の日付や種類・金額などの必須項目が設けられ、それらを正確に入力した(システムで正とされた)ものだけが申請できる仕様になっています。伝票が複数ある場合にも、それぞれフォーム上の明細に記入することで自動的に合計金額が算出されます。また、ファイル添付機能により、レシートや領収書などのデータを添付することも可能です。

このように、申請内容をシステムに入力することで、無駄な間接作業や記入漏れ・計算ミスなどが減少し、業務効率の向上に大きく寄与します。

 

稟議・決裁の短縮化

申請・承認作業をすべてシステム上で行うことで、稟議・決裁にかかる時間が短縮されます。

各申請フォームには柔軟に承認フローを設定でき、申請ごとに承認者が自動的に選出されます。そのため、承認者が離席中の場合や誰に提出すべきか分からない場合でも、直ちに申請を行うことが可能です。多段階の承認が必要な場合、紙文書では把握できていなかった承認の進捗状況も、システム上でリアルタイムに確認することができます。また、印刷や郵送の必要がなくなり、申請にかかる工数だけでなく紙代やインク代・郵送費などの経費の削減にも繋がります。

 

業務のペーパーレス化

申請書をシステム上で保管することで、データを削除しない限り紛失の危険性はありません。また、これまでファイルやクリップで保管していた書類がなくなり、管理の手間が大幅に削減されます。紙文書では必要な書類を探し出す作業などに時間がかかりますが、システムに保管されたデータは必要な時に呼び出したり、集計したりすることができ、データの運用が可能になります。

 

集計作業の簡素化

前述のように、ワークフローシステムを利用して申請書を電子化することで、データの閲覧・集計が容易になります。月次作業ではこうした集計データが必要になりますが、システム上での素早く正確な集計により、全体の業務効率の向上をもたらします。

 

ワークフローシステムのデメリット

ワークフローシステムの導入は社内稟議の効率化に貢献します。しかし、一方で以下のような注意すべきデメリットも存在します。

 

導入にコストがかかる

システムの導入には初期費用・月額費用などの運用コストや、設定・管理のための人的コストが必要になります。紙文書だけでなく、メールやExcelファイルで稟議を行っている場合でも、過去のデータをシステムに移行するには多くの作業が必要になります。

ワークフローシステムは業務にかかるコストを削減することはできますが、導入による別のコストがかかります。

 

障害時に使用できなくなる危険性

万が一、ネットワークが繋がらなくなった場合や、システムが動かなくなった場合、データの閲覧や入力ができなくなる恐れがあります。システム導入にあたっては、このような緊急時の対応について利用者に共有することが望まれます。

 

導入を検討される際には、費用感や使いやすさなど、自社の業務に合ったシステムを選んでいただくことを推奨します。

 

導入シミュレーション

ワークフローシステムを紹介するにあたり、システム導入による費用対効果について考察しました。導入検討の際にご活用いただければと思います。

 

例1)紙文書で月10件の申請作業コスト

【作業内容】
紙文書:申請書の印刷、手書き記入、手渡し・郵送
システム:フォームへの入力、申請処理

【作業時間】
紙文書:1件あたり10分
システム:1件あたり3分

【計算式】従業員数が100名の企業の場合(年間平均給与は600万として計算)

総従業員数(100名)×年間平均給与(600万)×[提出作業時間(削減された7分)÷月作業時間(160時間)]≒437.5万

 

100名企業の場合、システム導入による申請作業時間の減少で年間約437.5万円のコスト削減が期待できる計算となりました。

 

例2)メールで月10件の申請に対する誤送信、記入漏れの修正コスト

【作業内容】
メール:メールテンプレート・Excelファイルへの記入、送信
システム:フォームへの入力、申請処理

【修正時間】
メール: 要修正率は5%、修正時間は1件あたり20分
システム: なし*¹

【修正内容】
メール:誤送信による宛先変更、記入漏れや計算ミスの訂正
システム:なし

【計算式】従業員数が100名の企業の場合(年間平均給与は600万として計算)

総従業員数(100名)×年間平均給与(600万)×[(月修正件数(0.5件)×修正時間(20分)÷60分)÷月作業時間(160時間)]≒62.5万

 

100名企業の場合、システム導入によるメール修正時間の減少で年間約62.5万円のコスト削減が期待できる計算となりました。

 

*¹システムにより承認者自動決定、記入漏れの自動チェック、自動計算が行われるため、ここでの修正作業はなしとしています。

 

まとめ

現在では、約7割の企業がワークフローシステムを利用しているという報告があります。しかし、実際に使用してみると、機能面や使いやすさなどの面で不満が出てしまい、期待していた導入効果がでない場合もあります。

そのような失敗を防ぐため、ワークフローシステムを導入する際には「どの業務」を「どのように改善」すべきか見極め、十分な期間を設けて運用テストをするなど、慎重にプロジェクトを進める必要があります。

 

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ワークフローシステムには前述のようなデメリットも存在しますが、しっかりと検討・準備をすることで多くの導入効果を得られます。ワークフローシステムに関して興味がございましたら、( https://erp.maeyes.info/wf/ ) からお気軽にお問い合わせください。

筆者プロフィール

Kose
Koseビーブレイクシステムズ
休日はペットを愛でながらお酒を飲んでいます。

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