2022年、企業はどのようなテーマでERPシステムの導入を検討したのか

2021年11月に、「コロナ禍において企業はどのようなテーマでERPシステムの導入を検討したのか」という記事を公開しました。

あれから1年、緊急事態宣言の発令も1年無く、出勤や対面での商談も、コロナ前ほどではありませんが行われるようになってきました。筆者はERPの提案活動を行っています。今回も日々の営業の現場から感じる傾向についてレポートします。

 

2021年までの流れ

前回の記事のおさらいをざっと記述します。

コロナ前までは

  • 業務の効率化
  • 収支の厳格化
  • 内部統制の強化

というのがERP導入の主な目的としてあり、コロナ前から派生的に工事進行基準への対応、緊急事態宣言下のテレワーク業務に対応するためのシステム導入、2022年1月から開始される電子帳簿保存法への対応が進んでいた…というのが2021年11月までの流れです。

コロナ禍において企業はどのようなテーマでERPシステムの導入を検討したのか

 

2022年前半

2022年前半の1つ前の期間、2021年後半におけるシステム導入の大きなテーマは、電子帳簿保存法への対応でした。電子帳簿保存法は予定通り2022年1月から開始していますが、2024年1月まで2年の経過措置期間があります。

従って、無理に急いで電子帳簿保存法に対応する必要もないということで、2021年後半の時点で対応していなかった企業は対応を先送りにすることとなりました。

 

電子帳簿保存に関しては、ERPそのもので対応するというよりは、ERPから出力する書類を連携するファイル管理システムや経費申請等のサブシステムでの対応することが多いです。

そのような状況下で、2022年の前半は降って湧いたようなERPのシステム導入案件は少なく、それ以前から時間をかけて検討していた企業の最終選定・導入開始といった段階が多く、比較的穏やかな時期でした。

 

2022年後半

暖かくなってきてから、俄にインボイス対応への関心が高くなってきました。

インボイス制度は、請求書=売上金額の計算という、ERPの中でも主業務の1つと言える分野に関係しています。

インボイスの実施時期は2023年10月と以前から決まっていたわけですが、実施まで残り1年余りと迫ったところで、対応を検討し始めた会社が多かったようです。

また、システムベンダー側も、新しい制度に対する具体的な機能やアップデートの内容が決まるのは制度開始がある程度近づいてきてからになります。インボイスに関しても同様で、最近になって方針を打ち出した会社が多いようです。

 

そして、実際に検討を始めていくと、

「どうやら現状のシステムでは対応するのが難しいのではないか」

とか、

「現行システムのインボイス用アップデートに想定以上の費用がかかるとベンダーから連絡があった」

という事態となり、慌ててシステムリプレイスを検討するユーザーからのお問い合わせが増えてきました。

 

インボイス対応はそんなに大変なのだろうか?と感じる向きもあるでしょう。

現在手動で請求書の作成作業をしているか、請求書だけを発行するシステムであれば、請求書の様式と計算方法を少々いじるだけですので、非常に簡単です。

しかし、一連の流れがシステム化されていると、請求書発行より前の段階、一般的には受注登録、場合によっては見積から明細の内容が引き継がれてきますので、影響範囲としては広くなります。また、機能範囲としては販売管理領域全般を含むため、それと繋がる営業支援、在庫や原価管理や財務会計と言った業務システムの中心部分を見直さざるをえず、個別のシステムだけではなくERPの見直し・導入という大きなイベントとなってしまいます。こうなると大変で、現行業務の調査から始まり、検討・選定・導入に長い期間がかかります。現在は、来年10月までの稼働を目指して多くの商談機会がありますが、現時点導入がスタートしていないと、スケジュールとしてはかなり厳しいものになると感じています。

 

一方、電子帳簿保存法に関しては、システム導入を検討する企業の提案依頼書等を見ても、優先度で言えば”対応できれば尚可” “今後要検討”と言ったスタンスが多く、切迫感は感じられません。また、電子帳簿の保存は、請求書関係のように受注、売上、請求、納税という企業活動の中心的業務ではないので、システム外での対応が容易かどうか、回避方法があるのか、といったところで違いが出てきます。

 

最後に

前回の記事の締めは「やれることはできるだけ早く」でした。今回のインボイスは既に対応が遅れている企業が散見され、その気持はより強くなっています。

 

一般的に、会計を含む業務システムのトレンドが大きく変化するのは「社会情勢が変わった時」と「法律が変わった時」です。

 

社会情勢によるものは、通常であれば「緩やかに変化していき、気がつけば変わっていた」という形を取りますが、法律や制度は、「ある時点を境に一気に変わるもの」です。

 

前者は、コロナ禍のように社会全体が大きく変容するものは少なく、多くはスマホをみんなが持つようになったり、クラウドベースのシステムが主流になったり、5年、10年単位で緩やかに変化していくものかと思います。

一方「法律が変わる」場合は、時期が明確で、事前に必ず準備期間があります。ですが、曖昧な期間というのは無いので(最近は経過措置が多いですが…)、確実に間に合うように対応していただきたいと思います。

 

参考記事:

コロナ禍において企業はどのようなテーマでERPシステムの導入を検討したのか

 

クラウドERP「MA-EYES」の最新バージョン3つのポイント!

2022年クラウドERP「MA-EYES」が大型バージョンアップしました!
本記事ではIT業・広告業の方向けに、MA-EYESの新しいバージョンの3つポイントについてご紹介します。

また、MA-EYESにおける電子帳簿保存法やインボイス対応についても、解説しています。