改正電子帳簿保存法・インボイス制度への対応<ERP導入事例3>

2022年1月から開始された改正電子帳簿保存法、2023年10月より開始されるインボイス制度など、制度改正をきっかけに業務管理のシステム化もしくは既存システムのリプレイスを検討している企業は多いと思います。

今回はシステム導入を検討されている企業の担当者様に向け、制度改正をきっかけに統合型基幹業務パッケージ(ERP)を導入した事例についてまとめてみたいと思います。

 

統合型基幹業務システム『MA-EYES(エムエーアイズ)』について

導入事例の対象製品として紹介するMA-EYESについて簡単に紹介します。

MA-EYESはビーブレイクシステムズが開発・販売を行っている、プロジェクト毎のアサイン予定や外注予定などの原価予定と対する実績を正確に管理することのできるプロジェクト管理機能を中心としたERPです。申請・承認機能を始め、権限設定機能やログ管理機能、各種履歴確認機能なども搭載されており、内部統制にも対応したシステムです。

 

導入事例概要

今回紹介する導入事例情報は以下の通りです。

導入企業

  • 業種: システム開発業
  • 社員数:200-300名

 

システム利用状況

  • 営業・受注・販売管理・・・ノーコード開発ツールにて作成された独自システム
  • 勤怠・工数・経費管理・・・パッケージシステム
  • 原価管理・各種分析・・・自社開発した独自システム
  • 財務会計・・・自社開発した独自システム

 

利用中システムに対する課題

  • 利用しているシステムが制度改正に対応していない
  • 業務単位にてシステムを導入しているためデータの一元管理ができておらず、マスタメンテナンスの負荷、プロジェクト毎の原価管理や工事進行基準売上計算の負荷が非常に高い
  • 自社開発システムに対するメンテナンス要員が不足している
  • 経営分析に必要なデータ収集や加工に負荷が生じている

 

導入機能範囲

  • 案件管理
  • プロジェクト見積
  • プロジェクト管理
  • 勤怠・工数情報取込
  • 購買申請
  • 経費申請
  • 電子帳簿保存対応(ClimberCloud連携)
  • 債権・債務管理
  • 会計システム連携

 

既存システムのリプレイスを決断した背景

課題を解決すべくプロジェクト毎の原価管理が可能なERPに関する情報収集を続けていた中、電子帳簿保存法やインボイス制度などの制度改正が行われることが後押しとなり、システムリプレイス検討チームが発足され本格的に検討を開始することになりました。

 

改正電子帳簿保存法への対応事例

ここからは今回の導入事例で行った制度改正への対応方法について紹介します。

 

改正電子帳簿保存法への対応は、NTTデータビジネスブレインズ提供の改正電子帳簿保存法対応製品『ClimberCloud(クライマークラウド)』にて管理しています。ClimberCloud は、MA-EYESの標準機能にて連携が可能な製品です。

 

各種経費に関する管理・連携方法は以下のように行いました。

①領収書データを経費申請画面へ添付し、MA-EYES内で申請・承認を実施
②承認済の経費申請データと画像ファイルを夜間バッチにてClimberCloudへ連携
③連携されたデータと画像ファイルをClimberCloudに保存、タイムスタンプを付与
④連携結果をMA-EYESへ返却
⑤④にて受け取ったステータスと文書IDを経費申請情報へ反映

※受け取ったデータや画像ファイルに誤りがあった際は再度MA-EYES内で申請を行い、②以降の手順を行います。再申請を行った場合はClimberCloudの情報は最新のデータに更新され、過去の画像ファイルは変更履歴として残すことが可能です。

 

 

次に、顧客へ電子データで送付した見積書や仕入先から電子データにて受領した見積書などの管理・連携方法について紹介します。

 

顧客へ電子データで送付する見積書の管理・連携方法はこちらです。

①プロジェクト見積画面から電子データとして送付する見積書を「控え発行」ボタンを押下し出力
②「控え発行」ボタンを押下し出力された見積書がClimberCloud連携対象となり、夜間バッチにてClimberCloudへ連携
③連携されたファイルをClimberCloudに保存、タイムスタンプを付与
④連携結果をMA-EYESへ返却
⑤④にて受け取ったステータスと文書IDをプロジェクト見積情報へ反映

仕入先から電子データにて受領した見積書や注文請書などの管理・連携方法は以下の通りです。

①受領した見積書や請書などを購買申請画面の連携対象となる項目へ添付
②連携対象となる項目へ添付されたファイルがClimberCloud連携対象となり、夜間バッチにてClimberCloudへ連携
③連携されたファイルをClimberCloudに保存、タイムスタンプを付与
④連携結果をMA-EYESへ返却
⑤④にて受け取ったステータスと文書IDを購買申請情報へ反映

今回の事例ではClimberCloudと連携することで電子帳簿保存法へ対応しましたが、訂正削除の規定を定めることでMA-EYESだけでも電子帳簿保存法へ対応することも可能です。

 

インボイス制度への対応事例

インボイス制度への対応として、適格請求書発行の発行方法について紹介します。

 

適格請求書発行方法は以下の通りです。

①自社情報を管理する会社管理画面にてインボイス登録番号を登録
②プロジェクト管理画面の請求予定明細へ適切な税区分を登録
③請求画面にて必要に応じて税端数処理を実施
④請求書出力ボタンを押下し適格請求書を出力

制度改正に伴うERP導入の効果

MA-EYESの導入により課題であった制度改正への対応や、情報の一元管理が可能になったことにより二重入力の排除、プロジェクト毎の原価計算や進行基準売上の計算がスムーズに、経営分析帳票の作成負荷が大きく軽減するなど、業務効率化を実現することができました。

 

最後に

改正電子帳簿保存法・インボイス制度対応による統合型基幹業務パッケージ(ERP)導入事例について紹介しました。

制度改正をきっかけに業務管理のシステム化もしくは既存システムのリプレイスを検討されている皆様へ本記事が参考情報として少しでも役立てば幸いです。

 

また、記事の中でご紹介したERPシステム『MA-EYES』及び『ClimberCloud』についてご興味いただけましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。

 

MA-EYESに関するお問い合わせ

ClimberCloudに関するお問い合わせ

 

※ClimberCloud は株式会社NTTデータビジネスブレインズの登録商標です。
※掲載されている商品名またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。

筆者プロフィール

fmhy
fmhyビーブレイクシステムズ
統合型基幹業務パッケージ(ERP)「MA-EYES(エムエーアイズ)」 及びクラウド上で提供されているマネジメントツールをご提案する「コネクテッド・クラウド」の営業を担当しております。

MA-EYES:https://www.bbreak.co.jp/maeyes/
コネクテッド・クラウド:https://www.bbreak.co.jp/connectedcloud/

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