既存ERPを活用し電子帳簿保存法とインボイス制度に対応 <ERP導入事例4>

電子帳簿保存法は2022年1月に開始され、2023年10月からはインボイス制度が始まります。

新制度が開始される際、既存のシステムでは対応できない、どのように対応したら良いかわからないという会社は多いのではないでしょうか。当社ビーブレイクシステムズのもとにも、「現行のシステムでインボイス、電帳法(特にインボイス)に対応できないので、システムのリプレイスを検討しており、話を聞きたい」という企業からの問い合わせが、昨年後半以降多くなっています。

今回は、当社のERPであるMA-EYES(エムエーアイズ)をすでに利用中の顧客が、他のシステムにリプレイスせずに、既存のMA-EYESを活用する形で電子帳簿保存法とインボイス制度に対応する事例を紹介します。既存の業務システムを活用して対応したいとお考えの方の参考になるのではないかと思います。

統合型業務管理システム『MA-EYES』について

導入事例の対象製品として紹介するMA-EYESについて簡単に紹介します。

MA-EYESはビーブレイクシステムズが開発・販売を行っている、プロジェクト毎のアサイン予定や外注予定などの原価予定と対する実績を正確に管理することのできるプロジェクト管理機能を中心としたERPです。申請・承認機能を始め、権限設定機能やログ管理機能、各種履歴確認機能なども搭載されており、内部統制にも対応したシステムです。

事例企業 X社

-MA-EYES利用歴:5年以上
-業種:システム開発業
-社員数:約300人
-売上高:約50億円
-MA-EYES利用範囲:プロジェクト管理、購買支払管理、経費管理、勤怠管理

 

電子帳簿保存法への対応

 電子帳簿保存法に対応した製品/サービスは以下の2種類があります。

  1. 経費申請システムなど、特定のシステムのオプション機能として提供されるもの
  2. 独立した、データ/ファイル管理の専用システム

 

MA-EYESにも電子帳簿保存法に対応する機能がアップデートされており、”1”の方法で対応することができます。しかし、今回は”2”の方法を用いました。”1”の場合ですと、そのシステムの範囲外の書類を保存することが難しい場合が出てきますが、独立したデータ保存の仕組みを使うと、色々なシステムや他社から受領した書類を一元的に管理することができます。

今回は、現行のMA-EYESの標準機能として対応しているNTTデータビジネスブレインズ社の電帳法対応データ保存サービス「ClimberCloud」との連携機能を移植し、対応しました。

連携内容は以下のとおりです。

・連携対象書類

-販売関連:発注書、見積書
-経費関連:領収書
-購買関連:発注書、受取請求書

 

・連携内容

-PDFファイル、検索キー、文書ステータス、文書管理ID

 

・連携方法

-APIとの夜間バッチによる連携

 

MA-EYESに入力された情報と、添付された書類がAPIでClimberCloudに自動連携されます。連携に成功すると、ClimberCloud側から文書のステータス及び文書IDを返し、MA-EYESに保存します。そうすることによって、MA-EYES上のファイルとClimberCloud上のファイルの整合性を取っています。

電子帳簿保存法の要件で、文書自体と検索キーを同時に管理する必要がありますが、MA-EYESに入力されていた項目を連携することで、二重入力の必要はなくなります。

 

インボイス制度への対応

インボイス制度は請求書に関する制度ですが、この会社ではMA-EYES内で請求書を作成せず、別途対応しています。

では、MA-EYESでは対応が不要かというと、そうではありません。どのような対応が必要なのかというと、支払の際に取引先が課税事業者か免税事業者かで、支払った消費税が仕入税額控除の対象かどうか判別する必要があります。

 

課税事業者か免税事業者かは変更になる可能性があるので、一度マスタに入れておけばよいというものでもありません。そこで、MA-EYES上で支払処理を行う際に、国税庁のAPIを利用して、MA-EYES上の法人番号から課税事業者登録の有無を確認する機能を追加開発しました。

また、支払い時だけではなく、使われていない仕入先の事業者チェックも月に1度のバッチで行っています。

これにより、都度、課税事業者かどうかの判断を行い、2023年10月以降の経理業務において適切な処理ができる想定となっています。

 

このように既存のシステムを改修することでも法制度への対応も可能になるケースもあります。既存の業務システムを活用して法制度に対応したいとお考えの方は一度開発ベンダーにご相談してみてはいかがでしょうか。

 

ぜひ、お問い合わせください

今回のような新たな法制度に対し、既存のパッケージでは対応できない、対応可能だが極めて高額になるという話は、新しいシステムをお探しのお客様から何度も聞いています。

ビーブレイクシステムズでは、できる限り費用を抑えつつ、長くシステムをご利用いただけるようご提案をしてまいりますので、これを機会にシステムの導入、入れ替えをご検討されている企業のご担当者様がいらっしゃれば、お気軽にお問い合わせください。

 

MA-EYESに関するお問い合わせ

ClimberCloudに関するお問い合わせ

※ClimberCloud は株式会社NTTデータビジネスブレインズの登録商標です。
※掲載されている商品名またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。

筆者プロフィール

H.S
H.Sビーブレイクシステムズ
営業職。カレーが好きです。得意技は福岡日帰り出張。

【オンラインセミナー定期開催中】法改正、IT導入補助金、内部統制、業務の効率化など

ビーブレイクシステムズでは法制度改正へのITでの対応や業務の効率化に役立つツールに関するセミナーなどを定期的に開催中です。
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