企業に関連する重要な法改正をチェック【2026年4月以降】

本記事では、2026年4月以降に施行される企業に関する法改正のうち、いくつかピックアップしてご紹介します。

 

1.【税制関係】

◆防衛特別法人税の創設

2026年4月以降に開始する事業年度から、新たに「防衛特別法人税」が課されます。

導入目的は、急速に変化するわが国の安全保障環境に対応し防衛費を安定的に確保することで、2026年4月以降に始まる事業年度から適用され、基準法人税額に対して4%の付加課税が行われます。

基準法人税額が500万円以下の企業においては、課税対象外となるようです。その点から、大企業に負担額が大きく、中小企業には過度な影響を与えないように配慮されている制度だと言えそうです。

 

参考:防衛特別法人税が創設されました|国税庁

 

◆設備投資促進税制の創設

企業の設備投資を促進する新たな税制が創設されます。産業競争力強化法の改正を前提に、青色申告法人が、一定の規模以上の特定生産性向上設備等を取得・事業供用した場合には、その特定生産性向上設備等について、特別償却(即時償却)又は税額控除(取得価額の7%(建物、建物附属設備及び構築物は4%))を選択適用することができる制度が創設されます。これにより、設備投資の意思決定に直結したり、税効果を踏まえた投資計画が重要となってきます。投資をすれば税金が下がる仕組みを強化した制度と言えるでしょう。

 

参考:「令和8年度税制改正」(令和8年4月発行) : 財務省

 

◆研究開発税制の見直し・強化

研究開発(R&D)に対する税優遇が拡充されます。認定された重点研究開発について、対象分野の研究費の40%(共同・委託は50%)を税額控除できる新制度です。

ポイントは、先端技術(AI等)への優遇強化や、税額控除の仕組み見直しです。一般の研究開発税制は見直され、研究費を増やした企業は優遇強化、減らした企業は控除上限が引下げとなるようです。

スタートアップ・技術系企業に追い風となると言われています。

 

参考:「令和8年度税制改正」(令和8年4月発行) : 財務省

 

◆賃上げ促進税制の見直し

従業員の賃上げを行った企業への税制優遇が見直されます。大企業・中堅企業向けは廃止・基準見直しの方向となるようです。中小企業向けは制度を継続しつつ、見直しを検討することになっています。また、教育訓練費に係る上乗せ措置は廃止され、これは中小企業においても廃止されます。

実務のポイントとしては、中小企業者に該当するかの判定(資本金1億円以下かどうか等)の確認や、教育訓練費上乗せ廃止に伴う税額控除額への影響の試算などがあります。

 

参考:「令和8年度税制改正」(令和8年4月発行) : 財務省

 

◆消費税(インボイス関連)の見直し

2026年(令和8年)税制改正では、インボイス制度の経過措置が見直され、免税事業者からの仕入れに係る仕入税額控除の割合や適用期間が変更されます。具体的には、現行の80%控除は2026年9月までで終了し、その後は段階的に控除割合が引き下げられます。あわせて、小規模事業者向けの「2割特例」は終了し、新たに個人事業者向けに「3割特例」が導入されます。企業には取引先管理や経理処理の見直しなど、より厳格なインボイス対応が求められます。

 

参考:令和8年度税制改正特集 国税庁

 

2.【労務・社会保険関係】

 ◆雇用保険制度の見直し(給付・負担の調整)

雇用保険制度は、令和8年4月より保険料率が引き下げられるなど、財政状況を踏まえた見直しが行われました。

雇用保険の失業等給付に係る保険料率を0.1%引き下げ、雇用保険料率全体で13.5/1,000(労働者負担:5/1,000、事業主負担:8.5/1,000)となります。

今回の改正は制度の大枠変更ではなく、料率および運用面の調整が中心ということです。

 

参考:厚生労働省関係の主な制度変更(令和8年4月)について

 

◆女性活躍推進法の強化

女性活躍推進法に基づく情報公表について、常時雇用する労働者が301人以上の事業主に義務付けられていた男女間賃金差異の情報公表義務の対象を常時雇用する労働者が101人以上の事業主に拡大されます。また、新たに、常時雇用する労働者が101人以上の事業主に女性管理職比率の情報公表を義務付けられます。

 

参考:厚生労働省関係の主な制度変更(令和8年4月)について

 

3.【子育て・社会保障関係】 

2026年4月から「子ども・子育て支援金制度」が導入され、健康保険料に上乗せする形で企業にも新たな負担が発生します。企業としては給与計算への反映や控除処理、従業員への周知対応が必要となります。さらに、社会保険料の増加に伴い人件費管理や給与設計への影響も生じます。制度の導入に伴い給与システムの改修や運用フローの見直しも求められるようになるでしょう。

 

参考:子ども・子育て支援金制度について|こども家庭庁

 

4.【デジタル化・AI導入関係】

中小企業向けにデジタル化・AI導入を支援する補助金制度も拡充される傾向にあり、昨年まで「IT導入補助金」としていた補助金が、今年は「デジタル化・AI導入補助金」へと名称を変えて、よりAI導入への支援を強化しています。中小企業にとっては、設備投資や業務効率化のチャンスが広がっていると言えるでしょう。

 

参考:デジタル化・AI導入補助金2026

 

まとめ

今回は、2026年4月以降の法改正について、企業に関するものを中心にご紹介しました。今回の法改正では、税や社会保険での負担は一部増える一方で、働き方の自由度は高まり、子育てや社会保障の支援は強化される、といった傾向が見えます。

企業の担当者の方は、法改正の度に業務の変更など発生することもあると思いますが、事前に情報を集めて対応するようにしましょう。

 

※本記事の正確性については最善を尽くしますが、これらについて何ら保証するものではありません。本記事の情報は執筆時点(2026年4月)における情報であり、掲載情報が実際と一致しなくなる場合があります。必ず最新情報をご確認ください。

筆者プロフィール

せきの
せきのビーブレイクシステムズ
家電量販店でウィンドウショッピングするのが好きです。

【オンラインセミナー定期開催中】MA-EYES機能概要、システム導入のポイント、業務の効率化など

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