契約のスピードアップだけでなくコスト削減や業務効率化にも効果あり!電子契約サービスのすすめ:ITツール・サービス徹底比較
電子契約とは、電子ファイルをインターネット上で交換して電子署名をすることで契約を締結し、企業のサーバやクラウドストレージなどに電子データを保管しておく契約方式のことです。
電子契約ではPDF等の電子ファイルの契約書に、電子署名とタイムスタンプを付与します。
電子認証事業者や第三者の電子契約サービス会社が提供する電子署名のサービスを活用して、文章が改ざんされていないことや、本人がその文書に署名していることを証明できます。
電子契約サービスは、こうした企業間の契約行為等のやりとりをクラウド上で行うことができるサービスになります。
目次
電子契約に関連する法律
電子帳簿保存法
電子帳簿保存法とは、会計帳簿やその根拠となる証憑類を、紙媒体ではなく電子データで保存することを認める法律で、1998年7月に施行されました。その後、スキャナ保存やスマートフォン・デジタルカメラによる電子データ保存も認められています。
導入時に多少手間がかかりますが、書類の管理がしやすくなったり保管場所が不要になるなどのメリットがあります。
税務調査の際に、大量の紙の書類を用意する必要もなくなり、パソコンでデータを検索して書類を提示することができます。
電子署名法
電子署名法とは、電子署名が署名や押印と同等の法的効力を持つことを定めた法律で、2001年4月に施行されました。
IT書面一括法
IT書面一括法とは、顧客保護などの観点から事業者に書面の交付や書面による手続を義務付けている法律について,顧客などの承諾を条件に,書面に代えて電子メールなどの情報通信技術を利用する方法で提供することができることを定めた法律で、2001年4月に施行されました。
契約の締結に際し一定の書面の交付義務を定めた法律について,送付される側の同意を条件として,書面の交付に代えて電子的手段(電子メール,FAXなど)を利用することを認めたものです。
e-文書法
企業において、これまで紙で保管されていた特定の文書や書類について、電子的に保存することを許可するための法律で、2005年4月に施行されました。
正式には「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の2つの法律でその総称をe-文書法と呼んでいます。
電子契約における書類の信頼性
電子契約は、電子署名とタイムスタンプを付与することで書面による契約と同等の証拠力を持つと認められています。
電子署名
電子署名には実印並みの証拠力があると言われています。
法的には、契約締結の方式は「契約自由の原則」により、「書面」「口頭」「Eメール」「クラウド上」などで契約を締結することが認められています。
締結の当事者が電子契約サービス上で契約し合意した書面にクラウド上に電子署名を付せば、法的にも問題なく契約が締結できます。
タイムスタンプ
タイムスタンプとは、タイムスタンプに刻印されている時刻以前にその電子文書が存在していたこと(存在証明)と、その時刻以降当該文書が改ざんされていないこと(非改ざん証明)を証明するものです。
タイムスタンプサービスはタイムスタンプを発行する「時刻認証局」が信頼できる第三者であることに基づき、信頼されています。
電子契約が使える契約
「書面」に関する法令が全く存在しない、もしくはe文書法等電子化に関する法令に適合する書類であれば電子契約で締結可能です。
例えば、秘密保持契約書、賃貸借契約書、工事請負契約書、注文書・注文請書などがあります。
逆に使えない契約として、定期借地契約書、定期建物賃貸借契約書、不動産特定共同事業契約書などがあります。
電子契約のメリット
契約締結のスピードアップ
クラウド上ですべて完結できるため、印刷や郵送などでかかっていた時間を削減でき、スムーズに締結することができます。
コスト削減効果
これまでの紙での契約書に必要な印紙税や郵送費、および印刷・製本・送付・保管のような事務作業にかかるコストも、保管場所を確保するためにかかるコストも削減が可能です。
※印紙がいらない理由
印紙税法第二条により、課税対象は「課税物件に掲げる文書」として書面の文書だけを指しているので、電子文書は含まれないとするのが一般的な解釈です。
Web一元管理による業務効率化
メールで契約書をやり取りするより、電子契約サービスを利用するほうが、契約書情報を一元管理できます。また、送信先の間違いや紛失などのリスクも低減できます。
電子契約と紙による契約の違い
上記の電子契約のメリットも含め、電子と紙の契約の違いを見てみましょう。
契約書は電子契約ではPDFなどの電子データになり、紙での契約はもちろん紙の契約書になります。
契約にかかる期間は、電子の場合はデータのやりとりになり、紙の場合は印刷・製本して郵送が必要になるので、紙に比べると電子のほうが短い期間で対応可能です。
署名の方法は、電子の場合は電子署名とタイムスタンプになり、紙の場合は署名捺印となります。
契約書の保管については、電子の場合はサーバやデータセンターへのデータでの保管になりますが、紙の場合は倉庫やロッカーといった物理的なスペースが必要になります。
必要なコストは、電子の場合は電子契約サービスの登録料や利用料、電子証明書の発行料となり、紙の場合は契約書の印刷代や印紙代、郵送費等となります。
法的な効果としては、電子の場合は電子署名が有効とされていて、紙の場合は署名押印が有効とされています。
表にまとめると、以下のようになります。
おすすめ電子契約サービスのご紹介
BtoBプラットフォーム契約書(株式会社インフォマート)
概要・特徴
企業間の契約業務を電子化して、プラットフォームで契約が可能になります。
秘密保持契約・基本契約・売買契約など契約書の保管やワークフローまでWebで完結できます。
企業間で交わされる契約をWeb上で締結できるクラウドサービスです。
最新のブロックチェーン技術により、契約内容の信用性(機密性)を確保します。
電子帳簿保存法に対応しており、電子契約の安全性・安定性を担保する法的環境と技術基盤に基づいたものです。
BtoBプラットフォーム全体で355,113社、772,497事業所で1,122,928名が利用されています。
充実のサポート体制で、サービス導入後も専任スタッフが手厚くサポートします。
販売管理や会計システムをはじめ、社内システムとの連携が可能です。
価格体系(税抜)
フリープラン(無料で試したい方)
初期設定料0円/月額料金0円/ユーザー数無制限/電子契約(契約締結)はフリープラン同士の契約書発行の場合月5件まで/契約書保管(自社保管)月3件まで/など。
シルバープラン(電子契約のみ利用したい方)
初期設定料300,000円/月額料金10,000円/ユーザー数無制限/電子契約(契約締結)利用可能/契約書保管(自社保管)月3件まで/電子契約は1通50円の従量課金/ストレージ10GBまで無料で追加10GBごとに1000円/など。
ゴールドプラン(電子契約+電子保管を利用したい方)
初期設定料0円/月額料金30,000円/ユーザー数無制限/電子契約(契約締結)利用可能/契約書保管(自社保管)無制限/電子契約は月100通まで無料で101通から1通50円の従量課金/ストレージ50GBまで無料で追加10GBごとに1000円/など。
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
https://www.infomart.co.jp/contract/index.asp
Agree(GMOクラウド株式会社)
概要・特徴
契約締結も管理業務も効率的、しかも高セキュリティで安心です。
オンラインで最短数分から契約締結できます。
大量に同様な契約を行う場合でもテンプレート機能や一括送信で効率よく契約できます。
契約の状況もAgreeの管理画面上で可視化でき、締結漏れ防止などの管理が可能です。
契約締結後の更新や解約処理も、リマインド通知機能を利用して手軽に管理できます。
検索機能も充実しており、キーワード検索、基本的な契約情報での検索、契約金額の範囲指定なども可能です。
電子帳簿保存法(第10条)の要件を満たしており、国税関係書類に該当する契約書類も電子データのまま保存することが可能です。
オプション機能を利用して、利用中の基幹システムやCRMなどの他業務システムとの連携も可能です。
メール認証によるシステムログで本人性を担保する電子サインタイプと、電子認証局により厳格に本人確認・発行された電子証明書によって本人性を担保する電子署名タイプ、この2つの署名タイプを選ぶことができます。
国内シェアNo1.電子認証局GMOグローバルサインとの連携や厳格な技術要件を満たす「Adobe Approved Trust List」、各種法令に適合するタイムスタンプの即時発行、20年以上11万社を超えるITインフラを支えた事業者として、万全の体制でサービス構築しています。
価格体系(税抜)
お試しFreeプラン(電子サインのお試し利用)
月額基本料金無料/社内ID数:1/署名数:月10文書まで/電子サイン利用料金:送信数(月間10文書まで)無料
Standardプラン(初めての電子契約導入に最適)
月額基本料金10,000円/社内ID数・署名数:無制限/電子サイン利用料金:送信数(1文書あたり)100円
Businessプラン(電子署名によるガバナンス強化、国内シェアNo.1電子認証局を採用)
月額基本料金20,000円/社内ID数・署名数:無制限/電子サイン利用料金:送信数(1文書あたり)100円/電子署名利用料金:固定費用(年間/電子証明書1枚)8,000円、送信数(1文書あたり)300円
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)
概要・特徴・メリット
契約をより速く、安全に。日本の法律に特化した弁護士監修の電子契約サービスです。
各種システムと自由に連携させられるWebAPIを提供しているほか、様々な外部サービスを提供しています。
暗号化通信、アップロードされるファイルの暗号化保存、毎日の自動バックアップにより、セキュリティも安心です。
価格体系(税抜)
Freeプラン(クラウドサインの機能を無料体験)あり
Standard(チームで使用したい)
月額固定費用10,000円/書類送信件数ごとの費用200円/ユーザー数無制限/書類送信件数無制限/機能:書類作成・送信、電子署名+タイムスタンプ、テンプレート作成・管理、チーム管理、WebAPI
Business(管理機能を強化したい)
月額固定費用100,000円/書類送信件数ごとの費用200円/ユーザー数無制限/書類送信件数無制限/機能:書類作成・送信、電子署名+タイムスタンプ、テンプレート作成・管理、チーム管理、WebAPI、アカウント登録制限、IPアドレス制限、承認権限設定
Integration Services(連携プラン)
Box連携、Salesforce連携、hubble連携、など
要お問合せ
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
Holmes(株式会社Holmes)
概要・特徴・メリット
契約前の段階から、作成、締結、契約中、契約終了後まで、プロセスの全てを最適化することで企業の成長をリードします。
営業や管理部、法務部といった部門を跨ぎ、さらには会社を跨いだ契約書特有のワークフローに最適化されているため、無駄の無い契約の仕組みを構築できます。
交渉内容や契約条件、注意すべき点など現場が取得した情報を手間をかけずに関係者と共有できるので、交渉から契約書の作成まで無駄のないスムーズなオペレーションを構築できます。
複数の相手と複数の契約を行う必要のあるプロジェクトなどを契約書単位ではなくプロジェクト単位で、全体の進捗管理や契約を軸としたプロジェクト進行が可能です。
売っておしまいではなく、法律に詳しい弁護士を中心としたスタッフにより、導入時の支援から、最適な契約の仕組みを構築するためのサポート体制を整えています。
価格体系(税抜)
ミニマムプラン
1アカウント月額5,180円
一連の契約書業務を効率化できるContractCloudのみのプランです。
小規模企業のような、部署を跨いだ契約オペレーションがあまりない企業向けのプランです。
スタンダードプラン
1アカウント月額8,180円
一連の契約書業務を効率化できるContract Cloudと、プロジェクト設計から始める契約マネジメントProject Cloudがセットになっているプランです。
契約についての本質的なソリューションです。
エンタープライズプラン
要お見積り
スタンダードに加えて、各種のセキュリティなどが強化されているプランです。
機能詳細については下記の製品サイトを参照ください。
https://www.holmescloud.com/features/
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
https://www.holmescloud.com/index.html
クラウドスタンプ(株式会社アクセル)
概要・特徴・メリット
導入時や稼動後も徹底サポートします。
契約作業を大幅に縮小し、数分で締結を完了することも可能です。
契約締結、契約書保管、契約書検索、本人確認、といった機能のほか、管理機能として、管理者ユーザーの下に複数ユーザーを追加できるユーザー管理機能、管理者ユーザーが下に紐付けたユーザーが締結した契約書を一覧で閲覧できる書類管理機能、管理者ユーザーが作成したテンプレートを下に紐付けたユーザーの環境に対して反映させるテンプレート管理機能があります。
毎日サービス上のデータを自動でバックアップしているのでデータが失われるリスクを低減しています。
通信に鍵長2048bitの公開鍵暗号を用いた強固な暗号化を行い情報漏洩を防ぎます。
価格体系(税抜)
ライトプラン
初回費用、月額利用料、従量料金:お問合せ
ベーシックプラン(安心サポート付き)
初回費用、月額利用料、従量料金:お問合せ
電話サポートあり、契約書ひな型あり、オプション:経営相談/専門家一括見積り
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
リーテックスデジタル契約(リーテックス株式会社)
概要・特徴・メリット
「デジタル契約」なので契約金額や期日なども全てデータ管理が可能です。契約の金額を入力できるため印紙税の節約額が一目瞭然です。
契約のデータを暗号化して保管しているため、安心・安全です。
通信を暗号化することで、ハッキングや改ざんの防止ができます。
タイムスタンプと認証機関の電子署名を付与することで改ざんの防止ができます。
取引権限を明瞭化することでガバナンスを強化できます。
犯罪収益移転防止法に準拠した厳重な本人確認を行うためクリーンな取引環境を構築できます。契約者間の意思確認・本人確認を十分に行うために、電子署名法と電子記録債権法を併用したサービス設計を行っています。電子署名法だけではなく電子記録債権法の2つの法律をもとにサービス設計しているため、法的安定性の確保ができ、安心した取引ができます。
POファイナンス®︎という制度も使用できるため、契約書を担保に受注時点で融資を受けられます。(審査有り)
価格体系(税抜)
エントリー
月額料金 無料
契約受信(ダウンロード) 無制限
契約発信(アップロード) 2回まで(上限あり)
オプションサービス なし
スタンダード
月額料金 1万円
契約受信(ダウンロード) 無制限
契約発信(アップロード) 5回まで/月(上限あり)
オプションサービス なし
プレミアム
月額料金 10万円
契約受信(ダウンロード) 無制限
契約発信(アップロード) 20回まで/月(※上限なし 21回~は1回2000円)
オプションサービス 取引先への説明(※10回まで無料、交通費は実費請求)
ダウンロード限定
月額料金 無料
契約受信(ダウンロード) 無制限
契約発信(アップロード) なし
オプションサービス なし
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
まとめ
電子契約サービス未導入の企業にとって、これから電子契約サービスを導入するということは、これまでの紙とハンコの文化から大きく変わることになりますし、送信する側と受信する側双方が環境を整えなければいけないことなどもあり、ハードルは高いように感じます。
とはいえ、本文中に挙げたメリットを見ても、導入効果は高いように思います。
実際に、導入企業は年々増加しているようです。
検討から導入後安定するまでは大変かもしれませんが、定着すれば、今まで行っていた郵送や印刷といった作業が無くなり快適になることは間違いないことでしょう。
※BtoBプラットフォーム契約書は株式会社インフォマートの商標または登録商標です。
※AgreeはGMOクラウド株式会社の商標または登録商標です。
※クラウドサインは弁護士ドットコム株式会社の商標または登録商標です。
※Holmesは株式会社Holmesの商標または登録商標です。
※クラウドスタンプは株式会社アクセルの商標または登録商標です。
※リーテックスデジタル契約はリーテックス株式会社の商標または登録商標です。
※その他記載されている会社名・商品名などは、各社の商標および登録商標です。
※本記事の正確性については最善を尽くしますが、これらについて何ら保証するものではありません。本記事の情報は執筆時点(2019年10月、一部追記2020年5月)における情報であり、掲載情報が実際と一致しなくなる場合があります。必ず最新情報をご確認ください。
筆者プロフィール
- 家電量販店でウィンドウショッピングするのが好きです。
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