企業で利用できる各種補助金・助成金について(令和7年度)

毎年、様々な補助金が国や自治体から公表されています。今回の記事では、企業が利用できる補助金について、いくつかご紹介をしたいと思います。

 

補助金とは

補助金とは、国や自治体の政策目標に合わせて、さまざまな分野で募集されているもので、事業者の取り組み等をサポートするためにその資金の一部を給付するというものになります。

それぞれの補助金の目的や趣旨を確認し、自分の事業とマッチする補助金があるか見つけて、活用していきましょう。

 

補助金と助成金の違いについて

補助金と同じように、助成金というものがありますが、違いはなんでしょうか。

補助金は、主に設備投資やシステム開発投資を促進する目的として、事業者が行う「事業」を支援するもので、主な管轄は経済産業省や自治体になります。 支給額は数百万円から1億円以上と大きく、審査があり、採択率は3~5割にとどまっています。主な財源は税金で、中小企業や小規模事業者などが支給対象の場合が多いようです。

助成金は従業員の雇用や教育、労働環境の改善を行う事業者に支給されるもので、主な管轄は厚生労働省や自治体、財源は雇用保険料などとなっています。受給対象となるのは雇用保険の適用事業主です。

 

経済産業省 中小企業庁が公表している主な補助金のご紹介

ここで、経済産業省中小企業庁が公表している補助金をいくつか見ていきます。

 

・IT導入補助金

https://it-shien.smrj.go.jp/

https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_it_summary.pdf

事業目的・概要

中小企業・小規模事業者が業務効率化やDXの推進を目的としたソフトウェアやサービスなどのITツールを導入する際に、その費用の一部を補助し導入を支援する制度です。

ソフトウェア購⼊費やクラウド利⽤料(最⼤2年分)、PC・タブレット・レジや券売機などのハードウェア購入費などが制度の対象となります。

 

補助対象となる事業者

中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)、小規模事業者が対象となります。

 

補助対象となるITツール

ソフトウェア、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費(機能拡張やデータ連携に係るオプションなど)、導入関連費(導入に係る役務作業や保守サポート費用など)、ハードウェア(PC・タブレット、レジ・券売機など)、セキュリティ対策強化のツール導入/サービス利用料(最⼤2年分) などが対象となります。

 

申請できる枠について

通常枠

中小企業・小規模事業者等が自社のニーズに合ったITツールを導入するための経費の一部を補助することで、企業の業務効率化や売上向上をサポートするもの

インボイス枠(インボイス対応類型)

インボイス制度に対応した「会計」・「受発注」・「決済」の機能を有するソフトウェア、PC・ハードウェア等を導入し、インボイス制度への対応をサポートするもの

インボイス枠(電子取引類型)

インボイス制度に対応した「受発注」の機能を有するソフトウェアを導入し、労働生産性の向上およびインボイス制度への対応をサポートするもの

その他、セキュリティ対策推進枠複数社連携IT導入枠、があります。

 

補助金上限額

最大450万円 補助率3/4以内(枠によって条件が異なるので、詳しくはサイトをご参照ください)

 

事業スケジュール(2025年3月末時点 通常枠とインボイス枠の場合)

交付申請期間 2025年3月31日~
1次締切分 締切日 2025年5月12日(予定)
2次締切分 締切日 2025年6月16日(予定)
3次締切分 締切日 2025年7月18日(予定)

 

・中小企業成長加速化補助金

https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/koubo/2025/250314001.html

事業目的・概要

経済の好循環を全国に行き渡らせるためには、中小企業全体の「稼ぐ力」を底上げするとともに、地域にインパクトのある成長企業を創出していくことが重要です。
特に売上高が100億円に及ぶ企業は、一般的に賃金水準が高く、輸出による外需獲得やサプライチェーンへの波及効果も大きいなど、地域経済に与えるインパクトも大きいものとなります。中小企業成長加速化補助金は、こうした観点から将来の売上高100億円を目指して、大胆な投資を進めようとする中小企業者の取組を支援することを目的とします。

 

応募資格

公募要領に記載の応募資格の要件をすべて満たす企業・団体等

※公募要領については下記URLをご確認ください
https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDKBeMAP

 

補助金上限額

500,000,000円、補助率1/2以内

 

事業スケジュール

募集開始日時:2025年5月8日 16:00
募集終了日時:2025年6月9日 17:00
事業終了期限:2029年3月31日 23:59

 

・小規模事業者持続化補助金

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/2025/250304jizoku_01.html

事業目的・概要

地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とし、持続的な経営に向けて自ら策定した経営計画に基づく販路開拓等の取組を支援します。

 

公募要領

商工会の管轄地域で事業を営まれている小規模事業者の方:
https://www.jizokukanb.com/jizokuka_r6h/

商工会議所の管轄地域で事業を営まれている小規模事業者の方:
https://r6.jizokukahojokin.info/

 

事業スケジュール(第17回公募)

公募申請受付開始:2025年5月1日(木)
公募申請受付締切:2025年6月13日(金)17:00 ※予定は変更する場合があります。

 

・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/2025/250217kobo.html

事業目的・概要

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業等が行う、生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓を行う事業のために必要な設備投資等の取組を支援するものです。

 

事業スケジュール(2025年3月末時点 19次締切)

公募開始:2025年2月14日(金)
電子申請受付::2025年4月11日(金)17:00~
申請締切:2025年4月25日(金)17:00

 

 

・中堅、中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金

https://seichotoushi-hojo.jp/

事業目的・概要

地域の雇用を支える中堅・中小企業が、足元の人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進することで、地方における持続的な賃上げを実現することを目的としています。

ソフトウェアの購入や情報システムの構築、工場や倉庫、販売拠点などの新設や増築、最先端の機械や省力化できる設備の購入、などに活用できる補助金です。

予算額は総額3,000億円(令和9年度までの国庫債務負担含む)となります。

 

補助対象者

中堅・中小企業(常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等)※単体ベース

 

補助事業の要件

①投資額10億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
②賃上げ要件(補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、全国の過去3年間の最低賃金の年平均上昇率(4.5%)以上)

 

補助上限額

補助金最大50億円、補助率1/3以内、投資規模10億以上が対象

 

事業スケジュール(3次公募)

公募開始:2025年3月10日(月)
公募締切:2025年4月28日(月)17:00
プレゼンテーション審査:2025年6月上旬~下旬(予定)
採択発表:2025年6月下旬(予定)

 

まとめ

今回、国や自治体による様々な補助金・助成金をご紹介しました。今回ご紹介した以外でも、あまり知られていない補助金で、自社が利用できるものがあったりするので、是非探してみてください。

 

支援情報ヘッドライン

支援情報ヘッドラインから企業経営や創業に役立つ国・都道府県の支援情報(補助金・助成金、セミナー・イベントなど)がまとめて検索できます。

また、ほかにも自社が利用できる補助金を検索できるサイトなどもありますので、この機会にご活用してみてはいかがでしょうか。

 

※本記事の正確性については最善を尽くしますが、これらについて何ら保証するものではありません。本記事の情報は執筆時点(2025年3月)における情報であり、掲載情報が実際と一致しなくなる場合があります。必ず最新情報をご確認ください。

筆者プロフィール

せきの
せきのビーブレイクシステムズ
家電量販店でウィンドウショッピングするのが好きです。

【オンラインセミナー定期開催中】法改正、IT導入補助金、内部統制、業務の効率化など

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