必要とされるDXとERP導入事例:建設コンサルタント業の場合

DXについて、必要とされるDXとERP導入事例:システム開発業の場合 にて簡単に説明しましたが、今回は、DXの必要性について見ていきたいと思います。

DXの必要性

近年の課題として言われ続けているDXですが、なぜここまで必要とされるようになったのか、理由を見ていきます。

 

競争の激しい市場において勝つため

競争の激しい市場で、他社に無い価値を提供し、どれだけ自社が良いポジションでいるかは、ビジネスに勝ち抜くためには重要です。その価値を創り出すのがDXになります。

例えば、これまで手動で行っていた販売管理の業務フローを、システムの導入などITツールを利用して自動化して、業務時間を短縮することができ、そこでできた時間を顧客ニーズの対応などに充てることで、顧客満足度を上げることもできるでしょう。また、SFAのような営業支援システムを導入すれば、営業管理の時間を短縮できるだけでなく、様々なデータを蓄積することができ、そのデータを活用して、競合他社との差別化を図ることもできるかもしれません。

前回、DXについて定義などを書きましたが、DXの必要性は業種だけでなく、会社ごとで異なるもので、各社必要なDXをそれぞれで見つけ出す必要があります。

上記で記載したような、「顧客満足の向上」や「価値の創造」をDXの目標として設定している企業が多いようです。

 

システムの老朽化への対応

既存システムが老朽化している場合、そのまま利用し続けるリスクは少なからずあります。

例えば、システム導入時から限られたメンバーのみでそのシステムのメンテナンス等を行っていた場合、そのメンバーの退職により、既存システムのすべてを理解できる人がいなくなってしまう、といったことが挙げられます。いわば「ブラックボックス化」してしまうリスクです。これにより、システムの改修や他システムとの連携が困難になってしまいます。最近では、電子帳簿保存法やインボイス制度など、基幹システムの改修が必要となる法改正もあるので、ブラックボックス化したシステムでは対応できなくなってしまいます。

また、老朽化したシステムをそのまま利用し続けると、システムのリリース時に比べて市場が大きく変わっている場合、やがては市場の変化に対応できなくなる可能性が高くなります。

こうしたことに対応するためにも、DXを行い、柔軟な対応ができるよう備えておく必要があると思います。

 

建設コンサルタント会社のDX

今回は、建設コンサルタント会社におけるERP導入、DXの実現について事例を見てみましょう。

 

建設コンサル業のC社の場合

・システム導入の経緯・課題

既存システムでは、案件全体の利益予測ができず、月次で集計を行い、案件の利益予測を行っていたが、月次処理を待つことなく月中でもプロジェクトや案件の着地予測ができるシステムに入れ替えたいと考えていた。合わせて、これまで多く発生していた二重入力などの手間を無くし、業務効率化も進めたいと考えていた。

 

・導入後

必要な情報をERPシステムに集約し、見たいレポートをシステム上から出力できるようになったため、月次の無駄な集計作業が不要になった。また、ERPを導入することで、登録済情報を次のプロセスに引き継ぐことができ、二重入力を解消できた。

 

・導入効果(DXの実現)

入札情報の管理から、受注登録、実行予算立案、出来高管理、原価管理、案件毎の利益予測など建設コンサルタント会社で必要な情報の見える化を実現できた。プロジェクトや案件の利益予測が実現し、厳密な収支管理が行えることで、経営者が迅速に判断できるようになった。締め処理をしなくても、プロジェクトや案件管理での損益状況、プロジェクト予実対比、進捗状況、利益予測、部門別収益性などを瞬時に把握できるようになった。

 

このようにシステム導入によりプロジェクトや案件の利益予測が実現し、厳密な収支管理が行えるようになったおかげで、サービスレベルの向上による他社との差別化ができ、DXの実現へとつながった。

 

・導入後のシステム概要

入札の有無に関わらず、公共工事/民間工事に対応。実行予算の登録情報を変更した場合、ワークフロー機能により再申請する。様々な配賦基準を登録し実行することが可能。売上計上は、完成基準や出来高制に対応。

システムイメージ

まとめ

DXの必要性については、本文中に挙げた以外にも様々ありますが、業種によっても異なりますし、会社ごとにも異なるものだと思います。目標として、例えば「顧客満足の向上」や「価値の創造」を設定したうえで、それを実現するためにはどのようなスケジュールで、どの範囲に、どのようなシステムを導入するかを社内で相談し、必要に応じて各現場の社員からヒアリングをするなどして進めていくとよいでしょう。

 

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