インフレに備え、工数管理を用いて生産性を高めよう

長きに渡るデフレの終わり

日本は1990年代から20年以上に渡り、モノやサービスの価格が上がらないデフレ状態であり、それが経済成長を阻害させる要因となっていました。デフレを克服するために、ゼロ金利政策による大規模な金融緩和を始めとする、いわゆるアベノミクスにより、消費者物価指数を向上させるように政府が目標を定め方針を打ち出していました。

そういった中で、株価や不動産価格等一部の資産価格は向上しましたが、全体の物価としてはデフレ状態が継続していました。

しかし、コロナ禍における人材やモノの供給不足と、自粛生活による需要の高まり、ロシアとウクライナの戦争に伴うエネルギー高騰を背景に世界的にインフレ化が進行し、日本でもそれに巻き込まれるような形でインフレの兆しを見せています。

 

賃金上昇圧力がかかっている

インフレになると物価が上がり、通貨の相対的価値が下がるので、以前は100円で買えたものが120円出さないと買えないということになります。しかし給料がそのままだと買えるものが減りますので、実質的には賃金が減少することになります。

そのままにしておくと国民の生活に影響が大きいので、政府としても現総理である岸田首相が「新しい資本主義」の名の下、賃金が上がるように環境を整備していくとのことです。ニュースでも毎日のように、「あの会社が新卒給与を+5万円にした」とか、「その会社が全労働者の平均賃金を何%アップする」というような話題が耳に入ってきます。少子高齢化で労働者人口が減少する中、新卒の確保や人材の離職を防ぎ、労働者にとって魅力的な企業であるために、企業も賃金を上げざるをえない状況となっています。

 

時間管理の重要性

賃金が上がればその人の能力も上がればいいですが、そういうわけではありません。1日あたり、1時間あたりの作業能力が変わらなければ、ただ時間単価が高くなってしまいます。

人件費を始め原価が向上すれば、その分売価を上げてしかるべきですが、賃金は上げてしまえば固定的に増加しますが、売価を賃金同様すぐに一律で値上げするというのはそう簡単ではないでしょう。

また、賃金が増加すると当然、残業代の金額もアップします。そうなると、より個人の生産性や労働時間をシビアに管理してく必要が生じます。

 

工数管理の方法

勤怠時間を見るだけでは、何が要因で残業が発生しているかはわかりません。そこで、作業ごとに費やした時間を管理する「工数管理」をすることで、時間配分が見える化され、忙しい人とそうでない人で負荷を中和する等の対策を打つことが可能となります。

システム開発企業やコンテンツ制作業など、技術的労働集約産業とでも言うべき業態では、売価の見積もりも予想工数から作成しますので、実績も工数管理を行っていることが一般的です。

 

ここからは、一例として当社のクラウドERP「MA-EYES(エムエーアイズ)」を用いた工数管理の方法を紹介します。

 

1.仕事を分類する

MA-EYESはプロジェクトごとに売上や工数、費用を管理できるシステムですので、管理したい単位ごとに「プロジェクト」を作成します。システムエンジニアなどが案件に直接社員が紐づいて作業する場合は、契約=プロジェクトとして管理するのが一般的です。

契約と紐づかない場合でも、例えば営業職であれば「商談」「事務」「社内会議」等々に仕事を分類し、プロジェクトを作成します。プロジェクトは必ずしも売上や原価に紐づくものである必要はなく、販管費のプロジェクトも作成することができます。コンペなど提案活動に労力がかかる場合は、個別案件ごとに受注前に費やした時間を管理する場合もあります。

 

2.工数を算出する

工数の総数は、労働時間と同様です。出退勤時間から昼休み、業務外時間等を引いたものです。そこで問題になるのが、多くの勤怠システムは勤怠と工数を管理することはできず、両方を一括で管理できる製品/サービスは限られています。

MA-EYESでは以下のように色々なパターンで工数の管理が可能です。

  • MA-EYESで勤怠と工数を管理する
  • MA-EYESで工数のみ入力する
  • 他のシステムで管理された工数を、MA-EYESに取り込む
  • 勤務表をMA-EYESに取り込み、工数に割り振る

 

3.工数を分類した仕事に割り振る

”Aプロジェクト”に3時間、会議に2時間…と割り振っていきます。

MA-EYESではプロジェクトの下に具体的な作業を紐づけ、”Aプロジェクト”の打ち合わせに2時間、書類作成に1時間…という細かい登録が可能です。

 

4.工数を元に、労務費を算出する

労務費計算には、標準原価計算と実際原価計算があります。

標準原価計算は、工数(時間)に1時間あたりの想定単価(標準単価)を乗じます。標準単価の設定が難しいのですが、経費などを含めた単価を設定する企業もあります。実際原価計算は、当月実際に支払った給与を総工数で除して、1時間の単価に戻して工数に乗じます。

MA-EYESでは、労務費の標準原価計算、実際原価計算両方に対応しております。

 

5.内容を分析する

標準原価計算、実際原価計算を行えば、作業単位(プロジェクト)ごとに費やした労務費を計算することができます。システム開発等、労務費が原価の主体である業態はもちろん、代理店業等の費用に占める外注費(仕入)の割当が多い業態でも、労務費も合わせて管理することで、粗利が多くても手間がかかっていたりすると、案外利益の少ない取引が見えてくるかもしれません。

2と3の勤怠→工数管理を月一回ではなく定期的(できれば毎日)入力する習慣を従業員が持つことができれば、よりスピーディーに問題を把握する事ができます。

 

MA-EYESでは、工数の実績を管理するだけではなく、工数の予定、経費の予実等、プロジェクトごとの予実を細かく管理することが可能です。

インフレに備え、工数管理を用いて生産性を高めよう

人口減少による就労者不足、インフレの進行で、ベースの給料をアップしつつ余計な残業代を抑制し、生産性を高める必要があります。また、働き方改革やワークライフバランスを尊重する傾向により、総労働時間自体が減っていく傾向にあるかと思われます。

これを機に、勤怠・工数管理のシステムの導入を検討してみてはいかがでしょう。

 

MA-EYESは、勤怠管理だけではなく販売、原価、経費、購買等各種機能を揃え、労働基準法のみならずインボイスや電子帳簿保存法といった最新の法律にも対応しております。

興味を持たれた方はビーブレイクシステムズまでお気軽にお問い合わせください。

 

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