インボイス制度開始まであと1年!インボイス制度と電子帳簿保存法への対応状況の実態は
ビーブレイクシステムズでは2022年9月21日から23日にかけて、現在「経理・財務・会計」を担当している方を対象にインボイス制度・電子帳簿保存法に関するアンケート調査をインターネットにて行いました。本記事では、調査結果について紹介します。
【調査概要】
調査名称:インボイス制度・電子帳簿保存法に関する調査
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2022年9月21日(水)~2022年9月23日(金)
調査対象者:全国の「経理・財務・会計担当者」
有効回答者数:1,046名
目次
経理担当者の約6割がインボイス制度の「内容を把握している」
2023年10月に導入されるインボイス制度の内容を把握しているか聞きました。「少し内容を把握している」と回答した人が42.2%で1番多く、経理担当者でも「詳しく内容を把握している」と回答した人は17.6%でした。
インボイス制度開始まであと1年、今まさに情報収集中という企業が多いのかもしれません。「詳しく内容を把握している」、「少し内容を把握している」、「内容は把握していないが、名前は知っている」を合わせると約8割という結果でした。課税事業者に関わる制度のため、認知度は比較的高いようです。
インボイス制度への対応状況
「詳しく内容を把握している」、「少し内容を把握している」、「内容は把握していないが、名前は知っている」と回答した方へ会社の対応状況として、「適格請求書発行事業者」登録申請の有無、仕入先(取引先)への登録申請有無の確認状況、システム面での取り組み状況を確認しました。
「適格請求書発行事業者」登録申請済は約4割
「適格請求書発行事業者」の登録申請について、「申請済」と回答した人は37.3%でした。「2022年12月末まで」が15.8%、「期限(2022年3月末)までに申請予定」が17.7%でした。また、インボイス制度について「詳しく内容を把握している」と回答した人の企業では約7割の企業が既に登録申請済で、9割を超える企業が期限までに申請予定ということが分かりました。
仕入先の登録申請有無の確認はこれから着手
仕入先(取引先)の「適格請求書発行事業者」の登録申請有無の確認状況については、「確認済」が9.5%でした。「未確認だが、2023年10月までに確認する予定」が31.3%で1番多い結果となりました。現時点で確認済の割合は低いですが、制度開始までに確認する必要があると考えている企業は多いようです。前述した登録申請同様、「詳しく内容を把握している」と回答した人の企業の約9割が制度開始までに取引先に状況を確認する予定のようです。
システム面での取り組み「対応済」、「対応中」は約4割
インボイス制度へのシステム面での取り組み状況を確認しました。「対応済」が9.8%、「対応中」が28.8%でした。「検討中」、「今後検討着手予定」を含めると7割を超える企業がシステムを活用した対応を予定していることが分かりました。
企業の従業員規模による差はほとんど見られませんでしたが、10名未満の規模の企業では「対応予定なし」と回答した方の割合が大きく13.7%でした。
インボイス制度への対応は既存システムの改修
システム面での取り組み状況について、具体的にどのような対応を行ったか(または予定しているか)を確認したところ、1番多い回答は、「既存システムの改修」でした。また、システムの新規導入では、「インボイス制度に対応した請求書関連クラウドサービス」が多いという結果になりました。システムの導入形態では、パッケージソフトよりもクラウドサービスを導入したいと考える企業が多いようです。
対応中、検討中の企業も7割が制度開始までに導入予定
「対応中」、「検討中」、「今後検討着手予定」の企業では、7割が制度開始までにシステム導入を行う予定で進めていることが分かりました。1番多い回答が「2023年3月末まで」(34.1%)なのは、事業年度に合わせて対応を進めている企業が多いためと予想します。
改正電子帳簿保存法への対応状況
現在も運用検討中の企業が約3割
2022年1月に改正された電子帳簿保存について、システム導入や業務フローの変更など対応方法を検討していた企業も多いと思いますが、対応済の企業は15.3%で、現在も運用検討中が31.9%でした。電子取引データの保存義務に2年の猶予期間が設けられたことにより検討期間を延長した企業もあるようです。従業員数で比較すると、10名未満の規模の企業では、改正電子帳簿保存法の認知度が低いようです。
対応している業務は「経理帳簿保管業務」
対応している(または運用を検討している)業務は、1番多い回答が「経理帳簿保管業務」でした。その他「決算関連書類保存業務」や「請求書発行業務」についても約5割の方が対応している(または運用を検討している)と回答しました。
システムの導入で改正電子帳簿保存法に対応
業務ごとに具体的にどのような対応を行ったか(または予定しているか)を確認したところ、すべての業務において、1番多い回答は「改正電子帳簿保存法に対応したシステムの導入」でした。2番目に多い回答は、取引先が関わる受発注業務では「取引先との調整」、その他の業務では「業務フローの変更」でした。
インボイス制度と改正電子帳簿保存法への対応を同時に進める企業が約5割
改正電子帳簿保存法の電子取引データの保存義務に2年間の猶予期間が設けられましたが、約半数の企業が、インボイス制度の開始に合わせて2023年9月末までに改正電子帳簿保存法への対応も進めていることが分かりました。また、「2022年12月末まで」が14.3%、「2023年12月末まで」が12.3%でした。
まとめ
インボイス制度開始まであと1年となりました。これから情報収集を開始するという方は、国税庁のHPで最新情報を確認し、さらにインボイス制度に関するセミナーに参加すると理解が深まるかもしれません。また、インボイス制度の導入は、経理業務へ大きな影響を与えます。改正電子帳簿保存法も関係するため、経理担当者の業務負荷を軽減する方法としてインボイス制度と改正電子帳簿保存法の双方に対応したシステムの導入なども検討してみてはいかがでしょうか。
筆者プロフィール
- 好きなものをゆるく幅広く追いかけるミーハー人間。月1で旅行にいくのが老後の夢。
抹茶とチーズとお酒があればご機嫌です。
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