１システムで派遣契約、請負契約の管理を実現した人材派遣会社へのERP導入事例＜ERP導入事例11＞

ビーブレイクシステムズの製品MA-EYES(エムエーアイズ)は、主に請負契約に関してプロジェクト毎の売上/原価管理(個別原価管理)を行うプロジェクト管理機能、及び労働者派遣契約に関して契約毎の請求・売上管理に対応をした派遣プロジェクト(人材派遣)管理機能があります。

今回は人材派遣事業と請負契約事業を行っている人材派遣会社のERP導入事例を紹介します。

統合型業務管理システム『MA-EYES』について

導入事例の対象製品として紹介する統合型業務管理システム(ERP)のMA-EYESについて簡単に紹介します。

MA-EYESは当社が自社で開発・販売を行っている、プロジェクト毎のアサイン予定や外注予定などの原価予定と対する実績を正確に管理することができるプロジェクト管理機能を中心としたクラウド型ERPパッケージです。

申請・承認機能を始め、権限設定機能やログ管理機能、各種履歴管理機能なども搭載されているため、内部統制にも対応したシステムです。

今回の事例について

事例企業

業種：人材派遣業
利用者数：約500人
売上高：50億

システム利用状況

他社の人材派遣管理システムを利用していた

システム導入の目的

派遣契約と請負契約を1つのシステムで統合管理を実施する
請求作業をシステムで実施することにより個々に実施していた請求作業を統一し属人化を防ぐ
売上の仕訳データを会計システムへ連携することで月次の締め作業の負担を軽減する
システム化によるチェック作業の軽減と承認プロセスを構築し内部統制を強化する

派遣契約業務と請負契約業務の両方を行う企業の課題

人材派遣業において派遣契約・請負契約双方の業務を行う企業でよく見みられることは、「人材派遣管理はできるがプロジェクト(請負契約)の管理はできず（その逆のケースもあり）、一つのシステムで業務を統合的に管理ができないため、システム管理や使用感が統一されず業務が煩雑になる」ということです。この課題を解決するためにシステム導入を検討するケースが多いです。

システム導入範囲と実現した内容

導入したシステムの概要図は以下のとおりです。

システムで実現したことは以下のとおりです。

・派遣契約と請負契約の受注（契約）情報の両方を一つのシステム上に登録

今回導入したMA-EYESは、プロジェクト管理（請負契約）、人材派遣管理双方の機能があるため、ひとつのシステム上で管理することが可能となりました（なお、プロジェクト管理において、工数管理の実施を実施し人件費の原価管理も可能ですが、本事例では工数管理は実施していません）。

・社員及びスタッフの勤怠情報及び経費情報を管理する外部システムと連携

MA-EYESには勤怠機能や経費申請機能はありますが、勤怠管理及び経費管理システムをすでに利用していること、スタッフにおいては派遣先で勤怠管理を実施しているなどの理由により外部システムをそのまま使うことになりました。外部システムからMA-EYESにデータを取込むことで勤怠情報を連携させています。経費情報についても同様の理由より実績の取込を実装しました。

・登録された受注（契約）情報及び取込んだ各種情報より請求データと請求書データを作成

派遣契約の請求書は、派遣プロジェクトに登録された契約情報と社員・スタッフの勤怠データより請求金額を自動計算して作成できるようになりました。請負契約については、プロジェクトに登録された請求予定情報より請求書を作成しています。得意先へ請求する立替経費がある場合、立替経費金額を含めて請求書を作成できます。

・登録された各種情報より人材派遣業務に必要な法定帳票を出力

派遣プロジェクト管理に登録された情報や派遣プロジェクト引当(スタッフ引当)に登録された情報を用いて各種法定帳票を出力可能なため、帳票作成だけのために一からデータを入力する必要がなくなりました。

・MA-EYESで生成された仕訳データを財務会計システムと連携

本事例では財務会計システムを使用していたため、月次締め処理後に売上の仕訳データを生成し、その後CSVファイルで会計システムへの手動連携しています。