業務管理システム選定時のポイント(1)カスタマイズに関する判断基準や注意点について

現在、Excel管理からの脱却やシステムの老朽化などを理由に新たな業務管理システムとしてパッケージシステムを検討もしくは選定しており、その中でカスタマイズや機能のアドオンに関する方針や判断基準について迷われている企業の担当者もいるかと思います。

今回はそんな担当者に向け、業務管理システム選定時のカスタマイズに関する判断基準についてビーブレイクシステムズが開発・販売をしているクラウド型ERPパッケージシステムであるMA-EYESの過去の商談内容を基に紹介したいと思います。

 

クラウド型ERPパッケージシステム『MA-EYES(エムエーアイズ)』について

ビーブレイクシステムズが開発・販売をしているクラウド型基幹業務管理システム(クラウドERP)のMA-EYESについて簡単に紹介します。

MA-EYESは、プロジェクト毎のアサイン予定や外注予定などの原価予定と対する実績を正確に管理することのできるプロジェクト管理機能を中心としたクラウド型ERPパッケージです。自由度の高さが特長であり、画面項目の追加や帳票フォーマットの追加・修正ができるほか、パッケージシステムでありながら業務に合わせたカスタマイズも柔軟に行うことが可能です。また、申請・承認機能を始め、権限設定機能やログ管理機能、各種履歴確認機能なども搭載されており、内部統制へも対応したシステムです。

 

 

業務管理システム導入パターンについて

業務管理システムの導入方法は大きく分けて2つあります。

システムに関する要望をそのまま反映できる「スクラッチ開発による導入」と、制約はあるものの低コスト・短納期での導入が可能な「パッケージシステムによる導入」です。

 

スクラッチ開発でのシステム導入が合う企業としては、業務管理方法や業務フローの独自性が強く、一般的なパッケージシステムでは導入が難しい場合が該当します。

一方、パッケージシステムの導入が合う企業としては、業務管理方法や業務フローが一般的である場合や、現状の業務管理方法に拘りがない、または改善したいためパッケージシステムを導入することにより業務フローを一般化したいと考えている企業が該当します。

 

ちなみにパッケージシステムの中でも製品毎に様々な特長があり、カスタマイズができず標準搭載されている機能にて利用する必要があるもの、カスタマイズはできないものの設定変更が柔軟に行うことができ運用回避での管理が行いやすいもの、パッケージシステムでありながら柔軟にカスタマイズができるもの、などがあります。

 

カスタマイズの判断基準

基本的にパッケージシステムは完成されたものであり、システムのフローについても最適化されたものになります。

業務をシステムに合わせることで業務フローを標準化できることからも、パッケージシステムを前提に検討を進めている企業ではカスタマイズを行わずシステムの標準機能に合わせた業務管理方法を検討することを基本方針とされていることがほとんどです。

 

しかし、システムを業務に合わせた方が良い場合もあります。

システムを業務に合わせた方が良い(カスタイマイズをした方が良い)場合としては主に以下が挙げられます。

  • 省略することのできない業務管理方法があり、どのパッケージシステムにもそれに対応する機能がない場合(会社独自の就業規則への対応などもここに含まれます)
  • カスタマイズすることで業務効率が大きく向上する場合

 

もし上記に該当しない場合には、カスタイマイズを選択するのではなく、まずは運用回避策を検討した方が良いでしょう。

 

カスタマイズを検討する際の注意点

カスタイマイズを行うことのできる製品の場合、画面の管理項目についても柔軟に追加・変更することができるものがあります。

その場合、経営陣や部門責任者が管理したい内容に合わせて項目を追加していくと、実際の利用者である現場ユーザにとっては入力負荷が高く使い勝手の悪いシステムとなってしまいます。逆に利用者である現場ユーザに求める機能や項目の意見を聞き過ぎるの場合も、意見がまとまらず、カスタイマイズ範囲が広がり定まらないことがあるので注意が必要です。

関係者から要望を聞き、「どこまで何をするのか」、「カスタイマイズ対象外とする要望に対しては、どのような運用を行うのか」などのとりまとめを行うことが非常に重要なポイントになります。

 

カスタイマイズを検討する際に必ずと言っていいほど議題に上がることのひとつは、分析機能についてです。

カスタマイズにて対応する場合、単純に分析機能を追加するだけでなく分析に利用する情報を登録するための画面項目の追加やシステム内部での処理方法を変更する、などの対応が必要となり、影響範囲が大きいためカスタマイズ費用もそれなりに発生します。

そのため対応方針としては、「カスタマイズするのか」、「標準機能にて確認・出力できるものに合わせるのか」、「標準機能にて出力された情報を加工して現状利用している分析帳票を作成するのか」などが挙げられ、それぞれ検討した上で最終的な方針を決定する必要があります。

 

アラートに関する要望もよくききます。アラート機能は業務の漏れを防止してくれる便利機能ではあるもののアラートが出ることに慣れてしまうと気にならなくなり、当初期待していた効果が薄れてしまう傾向にあります。

提案の中でそれらについてお伝えすると、費用対効果を考えてカスタマイズ要望を取り下げられるケースがとても多いです。

 

注意点の最後としては、カスタマイズに関する背景や経緯に関する社内の情報共有です。

長年利用すると導入に関わった人物がいなくなり「なぜこのようなカスタマイズを実施したのか」といった背景や経緯がわからなくなることがあります。システムの操作マニュアルや仕様書だけではなく、どのような理由でカスタマイズを実施したのか、社内でも記録を残し情報共有をしておくことは重要です。

 

このようにカスタマイズには注意・調整すべきこともありますので、まずはスモールスタートとして標準機能にて導入し、稼働後に必要となった部分をカスタマイズするという手段を選ばれる企業も多いです。

 

最後に

今回は業務管理システム選定時のカスタマイズに関する判断基準や注意点について紹介しました。カスタマイズを実施する際には注意しなければならないことこそありますが決して悪いものではなく、業務を効率的に管理することができる有効な手段の1つです。業務管理システムを選定されている皆様へ本記事が参考情報として少しでも役立てば幸いです。

 

また、記事の中でご紹介したERPパッケージシステム『MA-EYES(エムエーアイズ)』についてご興味いただけましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。

 

MA-EYESに関するお問い合わせ

 

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筆者プロフィール

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fmhyビーブレイクシステムズ
統合型基幹業務パッケージ(ERP)「MA-EYES(エムエーアイズ)」 及びクラウド上で提供されているマネジメントツールをご提案する「コネクテッド・クラウド」の営業を担当しております。

MA-EYES:https://www.bbreak.co.jp/maeyes/
コネクテッド・クラウド:https://www.bbreak.co.jp/connectedcloud/

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