注目の高まるWeb会議システム10選 特徴と製品比較:ITツール・サービス徹底比較
Web会議システムとは、その言葉からもイメージできるとおり、インターネットを通じて音声や映像のやりとりをして会議などのコミュニケーションをするためのシステムです。
目次
技術の進歩により急成長しているWeb会議システム市場
このような仕組みは以前からあったものですが、専用の大型機器が必要だったり、回線が遅くてとぎれとぎれになってしまったりといった理由でそこまで普及せずにいました。
ですが、近年のブロードバンド回線の普及やパソコンの高性能化により、専用の設備やネットワーク環境も複雑な設定も不要で、場所を選ばず気軽にWeb会議が可能になりました。
ちなみにテレビ会議システムとWeb会議システムはよく似ていますが、テレビ会議システムは主に「多人数:多人数」で利用するもので専用機材が必要です、それに対してWeb会議システムは「1人:1人」「1人対多人数」で利用して専用機材は不要という違いがあります。
働き方改革におけるWeb会議システムの活用
昨今Web会議システムが注目されてきている理由は、先ほど述べた通り技術の進歩によるところが大きいですが、同時に、働き方改革の影響もあると言えるでしょう。
働き方改革で推進されているひとつに、リモートワークがあります。自宅やレンタルワークスペースなどを活用した働き方ですが、遠隔でのコミュニケーションを取る手段としてWeb会議システムは有効です。
図や資料を用いた説明など電話だけでは伝わりにくい内容でも、Web会議システムを活用して画面の共有をすれば、簡単でより正確に意味を伝えることできます。
このように、Web会議やWeb商談、Web面談というスタイルが、広く一般的に認知されてきていることで、ますます企業としてはWeb会議システムに注目をしていく傾向にあるようです。
Web会議システムのメリット
あらためて具体的にどのようなメリットがあるのか見てみましょう。
- インターネット環境があればどこでも実行可能です。
- 電話に比べて、相手の表情を読み取れるので、コミュニケーションがしやすくなります。
- 会議の参加者が一箇所に集まる必要がないので、全国に複数拠点がある会社の責任者会議をするような場合でもその場から参加できて、日程調整がしやすくなります。
- 画面の共有機能や資料の共有機能を活用することで、あらかじめ印刷していない資料でもすぐに参加者と共有することが可能です。
- 遠方への移動にかかる時間を無くし、それに伴う出張経費の削減もできます。
このようなメリットをうまく活用できれば、業務効率化の一助にもなることでしょう。
Web会議システムのデメリット
よい面も多いですが、同時にデメリットもあります。
現状よく聞く課題点としては、やはり音声トラブルです。
音声がうまく聞き取れず、それにストレスを感じ、結局使わなくなってしまうこともあります。
しかし、現在販売されている製品の中には、音声トラブルを無くすために様々な対策を講じているものも多く、音声は電話回線を利用したり、高音質にこだわったりと以前に比べれば改善されているようです。
会議以外での使い方
Web会議システムは、会議以外でも多くの使い方があります。
例えば営業ツールとしての活用方法があります。お問合せのあったお客様へのファーストアプローチとして、訪問ではなくこのようなWeb会議システムを使ったアプローチをする会社も増えてきています。それによって、問い合わせ後すぐに商談が可能になります。
遠方の顧客へのアプローチをする際には特に役に立つでしょう。これまでは遠方ゆえにフォローができなかった見込み客でも、Web会議システムがうまく機能すれば、距離による負担を軽減でき、商談機会の増加につなげられます。
他にも、システムのエラー等のようなトラブルのお問合せにも対応できます。電話で言葉だけでは伝わりにくいケースでも、画面を共有すればエラー内容が一目瞭然となる場合も多くあるでしょう。
Web会議システムの主要な機能について
Web会議システムは様々な製品が出ていますが、どの製品にもかかせない主要な機能についてまとめました。
主要機能その1「映像と音声によるリアルタイムなコミュニケーション」
これがWeb会議システムのメイン機能になります。遠方とのやりとりを音声だけでなく視覚的にも共有することで、コミュニケーションの質が上がります。
主要機能その2「画像共有・資料共有」
相手が見ている画面と自分が見ている画面を同じにすることで、資料を共有することができます。また、ITツールの説明の場合には実際にPC画面を操作することで、どのような操作をするとどう動くかを具体的に相手に見せて製品の操作説明をすることができます。
主要機能その3「ホワイトボード機能」
会議参加者が共通のホワイトボードに書き込むことが出来る機能で、会議の内容を可視化したり、言葉では伝わりにくい図やフローチャートの修正を直接に説明することができます。
主要機能その4「録音・録画機能」
商談内容をあとでふりかえったり、デモの操作説明を確認して自分で練習する時に役立てることが可能です。
Web会議システム製品のご紹介
それでは、実際にどのようなサービスがあるのか、いくつかご紹介して、それぞれの製品の特徴を比較してみます
ベルフェイス (ベルフェイス株式会社)
特徴・概要
BtoB営業や顧客サポートに特化したインサイドセールスシステムです。
Webブラウザと電話があれば5秒で接続でき、すぐにでも使えます。
テクニカルサポートや運用支援も充実しています。
担当者の名刺プロフィール送信機能があり、日程調整の際に自己紹介もできます。
自分だけが見えるトークスクリプト機能で、営業の際にカンニングペーパーとして活用できます。
使い方レクチャーや商談ロープレ、定例ミーティングなどのサポートも用意されています。
1000社が導入する、営業に特化したWeb会議システムです。
価格体系
個別お問い合わせ
使いやすさ
サイトのトップページから接続ナンバーを発行してその番号を相手に伝えることですぐに利用開始できます。
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
LiveOn (ジャパンメディアシステム株式会社)
特徴・概要
独自技術で、他社にないCDに近いの高音質・HD高画質を実現しています。
資料共有機能、ホワイトボード機能、録音録画機能、メディア再生機能で会議以外にも研修やセミナー、イベント配信などにも活用できます。
直感的に使えるインターフェースです。
米国政府の次世代標準暗号方式である、『AES(Rijndael)』で暗号化されてセキュリティ対策万全です。
会議室ごとに入室パスワードを設定することも可能です。
価格体系
ASP版 初期費用78,000円(税別)/1ライセンス 月額3,000円(税別)/1ライセンス
イントラパック版(オンプレミス型) サーバソフト1,000,000円(税別) クライアントソフトライセンス78,000円(税別)/1ライセンス
その他追加オプションあり
参加可能人数
ASP版 最大150拠点 「多人数モード」オプションを追加することで無制限にできます。
イントラパック版 無制限
使いやすさ
ブラウザや会議招集メールから簡単にログインでき、会議を始めることができます。各機能も画面上のアイコンをクリックするだけなので直感的に使うことができます。
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
Mee2box (YES株式会社)
特徴・概要
事前準備不要で簡単に使えます。
営業と顧客サポートに特化しており、ツール提供だけでなく、売上を上げるためのノウハウも含めたツールの利用トレーニングを提供されます。
営業側のみに見えるトークスクリプト機能があります。
パソコンでの音声通話に対応しており、その音声を自動で文字に起こして議事録として残すことが可能です。テキストとしてダウンロードすることも可能です。
通信のすべてをSSLを用いてデータを暗号化しています。
価格体系
初期費用98,000円
STARTER(1~2アカウント)9,000円/アカウント/月
(年間一括払いの場合8,250円/アカウント/月)
STANDARD(3~9アカウント)8,500円/アカウント/月
(年間一括払いの場合7,800円/アカウント/月)
PREMIUM(10アカウント以上)8,000円/アカウント/月
(年間一括払いの場合7,300円/アカウント/月)
同時接続可能人数 最大4人
使いやすさ
初めて利用する場合でもアプリのインストールや会員登録は不要です。
サイトのトップページから接続ナンバーを発行してその番号を相手に伝えることですぐに利用開始できます。
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
Calling (株式会社ネオラボ)
特徴・概要
Web会議システム(Meeting)、チャット接客ツール(Sales)、チャットボット(chatbot)、といった業務コミュニケーションに必要なツールをまとめて提供しています。
トークスクリプト機能でプレゼンや電話対応で必要なスクリプトを自分だけに表示させることが可能です。
導入から操作方法まで、チャットやWeb会議を活用してしっかりサポートします。
通信は全て暗号化されており、また、ルームごとにパスワードを設定できるので参加者を限定でき、セキュリティ面でも安心です。
スマホ・タブレットにも対応しています。
価格体系
ID制
1ID 月額:1,500円(最低利用数は10IDからとなります)
初期費用:200,000円
参加可能人数
同時接続可能人数は30人です。
使いやすさ
Web会議室のルーム名とパスワードを決めてURLを作成します。
参加者へはアカウント登録やインストール不要で会議に招待できます。
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
BizMee (株式会社grabss)
特徴・概要
基本料金や初期費用がかからず、既存のブラウザですぐに利用可能です。
操作も容易で映像・音声も高品質です。
ホワイトボードや議事録を共有でき、会議がしやすくなっています。また、会議室にロックをかけて入室を制限することも可能です。
価格体系
無料
参加可能人数
3~4人を推奨
使いやすさ
サイトトップページのヘッダー上に設定してあるテキストボックスに任意の文字列(会議室の名前)を入力すると会議室が作成できます。
作成したURLを相手に伝えることで、招待できます。
面倒なインストールや会員登録などの手続きは不要です。
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
WebEx (シスコシステムズ合同会社)
特徴・概要
720pの高画質映像です。
クリアな音声とビデオで、簡単に画面を共有できます。
Webexモバイルアプリがあれば、あらゆる場所から対面での打ち合わせを行えます。
iOSおよびAndroidデバイスをサポートしています。
会議を録画することも可能です。
人数を気にせず誰でも招待できます。
価格体系
Starter(小規模向け)
年次請求の場合ホストあたり月額1,490円/月次請求の場合ホストあたり月額1,700円
参加者50人まで 5GBクラウドストレージ 購入可能ホストライセンス1~9 電話サポートは営業時間のみ
Plus(中規模向け)
年次請求の場合ホストあたり月額1,980円/月次請求の場合ホストあたり月額2,250円
参加者100人まで 5GBクラウドストレージ 購入可能ホストライセンス1~50 電話サポートは24時間年中無休
Business(大規模向け)
年次請求の場合ホストあたり月額2,980円/月次請求の場合ホストあたり月額3,400円
参加者200人まで 10GBクラウドストレージ 購入可能ホストライセンス5~100 電話サポートは24時間年中無休
Enterprise 要お問合せ 参加者1000人まで 無制限のクラウドストレージ 電話サポートは24時間年中無休 など
使いやすさ
Webex生産性向上ツールにより、クリックまたはタップですぐに会議に参加できます。
CallMeオプションを利用すると、電話で会議通知を受けることができ、応答すると参加できます。
ブラウザを使用するので、何もダウンロードする必要はありません。
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
https://www.webex.com/ja/index.html
V-CUBE (株式会社ブイキューブ)
特徴・概要
テレビ会議と同等レベルの高画質と高音質です。
高い接続性を誇ります。
ブラウザのみで利用でき、画面構成がシンプルなので初めて使う方も簡単に使うことが出来ます。
外国語をリアルタイムで翻訳することが可能です。
アンケート機能があるので、会議中にその場で多数決を取ることも可能です。
Windows やMac、スマートフォンやタブレット端末などの様々なOSに対応しています。
5000社以上の導入実績があります。
24時間365日サポートです。
カスタマイズも可能です。
「ASP ・SaaS安全・信頼性に係る情報開示認定制度」に認定されています。
会議参加者のIPアドレスを設定することができるので、不正なアクセスを未然に防ぐことが可能です。
価格体系
個別問い合わせ
使いやすさ
PCにWebカメラとマイクを接続して、ユーザIDとパスワードを入力してログイン完了です。その後、「会議室に入室」をクリックすることで参加できます。(すべての機能が利用可能)
また、契約した同時接続数以内であれば、IDを持たない取引先の方でも、Web会議に参加するためのURLにアクセスすることで簡単に参加できます。(一部機能制限あり)
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
Zoom (Zoom Video Communications, Inc.)
特徴・概要
無料版でも100人同時接続が可能で、参加者をグループごとに分ける機能があります。
動画や音声の保存が容易にできます。
1クリックで接続ができます。
WindowsやMac、iOS、Androidからの接続が可能です。
価格体系
基本(パーソナルミーティング向け) 無料 100人の参加者までホスト可能、無制限1対1ミーティング、グループミーティングは40分まで、ミーティング数制限なし、オンラインサポート、ビデオ会議機能、ウェブ会議機能、グループコラボレーション機能、セキュリティ
プロ(小規模向け) 2,000円/月/ホスト 全ての基本機能、100人の参加者、ミーティングは24時間制限、管理者機能コントロール、レポーティング、ほか
ビジネス(中小企業向け) 2,700円/月/ホスト 全てのプロ機能、100人の参加者、専用電話サポート、管理用ダッシュボード、シングルサインオン、ほか。
企業(大企業向け) 2,700円/月/ホスト 要お問合せ 全てのビジネス機能、最大1000人の参加者、無制限のクラウド保存、専用のカスタマーサクセスマネージャー、ほか。
参加可能人数
(無料版)同時接続100人可能
使いやすさ
アプリケーションインストール必要、ホストはアカウント登録必要でゲストはアプリのダウンロードのみであとは1クリックで会議に参加できます。
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
Lite FreshVoice (エイネット株式会社)
特徴・概要
アプリケーションインストール不要 アカウント登録不要なのでログイン無し、パソコンやスマホ等の端末さえあればURLを共有するだけでWeb会議をスタートできます。
WindowsやMac、iOSやAndroidにも対応しています。
自社開発商品のため、カスタムが容易にできます。業種別のニーズに対応した形でカスタマイズが可能です。
価格体系
1ID 15,000円/月、2ID 18,000円/月、3ID 21,000円/月、4ID 24,000円/月、5ID 27,000円/月・・・10ID 42,000円/月
10ID以上はお問合せが必要です。
1つのIDにつき、1つの会議室(URL)作成可能、IDは最大1000IDまで対応可能です。
1つのIDで作成可能な会議室を増やす場合は(¥ 3,000/1 URL)で追加可能です。
参加可能人数
1つの会議室(URL)につき同時接続5人
使いやすさ
IDを持った人が会議室(URL)を作ってコピー、コピーしたURLを会議メンバーに送る、URLをクリックすればWeb会議がスタートします。
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
https://www.freshvoice.net/lite/
appear.in
特徴・概要
世界有数の電話会社が開発したツールで、動画・音声ともに高いクオリティとなっています。
海外の相手との会議でも時差は発生せず、安定しています。
導入が非常に簡単で、URLを発行するだけで会議に参加が可能です。
主催者はアカウント発行が必要ですが、参加者は不要です。
表示は英語表記のみになります。
価格体系
Free(Personal use) 無料
Pro(Freelance professionals) $9.99/月
Business(Small and medium teams) $99.99/月
同時接続可能人数
(Free)1ルーム、4人/(Pro)3ルーム、12人/(Business)要お問合せ
使いやすさ
アプリケーションインストール不要 アカウント登録不要
ブラウザからappear.inのサイトにアクセスして、画面中央のボックスに任意のアルファベットを入力します。(これがWeb会議のURLとなります)。
作成したURLを会議の相手に送信し、相手がURLにアクセスして会議がスタートします。
より詳細な情報は製品サイトをご確認ください。
まとめ
ここ数年の間でネットワーク回線の速度やパソコンの性能が向上したことで、このようなWeb会議システムがストレスなく気軽に利用できる環境が整ってきました。今回紹介した製品もほとんどが簡単に使えることを売りにしており、このようなWeb会議システムが気軽に使えるのがあたりまえな時代に突入していくことを感じます。
会議だけでなく、営業ツールとして活用するアイデアも多く提供されているので、どの製品を使うかと同時に、どのように使うかという戦略も合わせて考えていくことで、企業としての差別化を図っていくことができるでしょう。
※ ベルフェイスはベルフェイス株式会社の商標または登録商標です。
※ LiveOnはジャパンメディアシステム株式会社の商標または登録商標です。
※ Mee2boxはYES株式会社の商標または登録商標です。
※ Callingは株式会社ネオラボの商標または登録商標です。
※ BizMeeは株式会社grabssの商標または登録商標です。
※ WebExはシスコシステムズ合同会社の商標または登録商標です。
※ V-CUBEは株式会社ブイキューブの商標または登録商標です。
※ Zoomは米国Zoom Video Communications, Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※ Lite FreshVoiceはエイネット株式会社の商標または登録商標です。
※本記事の正確性については最善を尽くしますが、これらについて何ら保証するものではありません。本記事の情報は執筆時点(2019年8月)における情報であり、掲載情報が実際と一致しなくなる場合があります。必ず最新情報をご確認ください。
筆者プロフィール
- 家電量販店でウィンドウショッピングするのが好きです。
最新記事一覧
【オンラインセミナー定期開催中】法改正、IT導入補助金、内部統制、業務の効率化など
いま解決したい課題のヒントになるかもしれません。ぜひお気軽ご参加ください!