新しいコミュニケーションの形はラジオ番組?楓工務店の取り組みをご紹介

多くの企業でテレワーク導入が進む中、様々な課題が出ています。その中の一つに社員同士のコミュニケーションの不足という課題があります。その課題解決のために、面白い取り組みを実施している会社の事例をご紹介します。

 

今回ご紹介する会社は、奈良・京都南部で注文住宅・リフォーム・リノベーション・不動産を手掛ける株式会社楓工務店です。楓工務店は、2020年度版「働きがいのある会社ランキング(*1)」ベストカンパニーにランクインし、2年連続受賞するなど、社員の「働きがい」を生み出す様々な施策を実施しています。以前から先輩社員が積極的に新人教育にかかわる社内文化が根付いていて、コロナ禍でもオンライン昼食会や相談タイムなどさまざまな形で交流が行われていました。今回新たな取り組み「おもいやりラジオ」が社員発案で生まれたとのことでその取り組みについて教えていただきました。

 

オンライン飲み会の進化版 「おもいやりラジオ」とは

「おもいやりラジオ」とは、DJに扮した社員がウェブ会議サービスZoomを使って社内向けにラジオ番組形式で配信する施策です。

 

コロナ禍において、Zoomなどを使ったオンライン飲み会がよく行われるようになりました。オンライン飲み会は楽しい反面、会社のコミュニケーションツールとして使うと、例えば「途中で抜けられない」、「家族に会話を聞かれたくない」、「だらだらして終わりが分からない」、「会話がしづらい」など、様々な問題も出てきます。そこで楓工務店は「ラジオ番組」形式でこれらの問題を解決することを思いつきました。「ラジオ番組」形式にすることで、社員はリスナーとして気軽に参加、出入りも自由、もし聞き逃しても録音データを聴くことができる、進行役(DJ)がいるのでだらだらすることがないなど、いろいろなメリットがあると考えました。

 

「おもいやりラジオ」は毎週平日の夜に1時間開催されています。毎回テーマを決め、事前にお便りを募集、番組で紹介していきます。Zoomのチャット機能を使い、リアルタイムでの質問も受け付けています。

例えば、トークテーマが「1年目のわたしってこうだったのよ」の回は、新入社員などから寄せられた質問や悩みに対してゲストとして登場した先輩社員にこたえてもらいました。ゲストの社員の新人時代の経験や失敗談などを聴くことにより、新入社員の新人教育と心のケアに役立つことはもちろんのこと、既存の社員にとっても他の社員が仕事に対してどのように考えているのかを知ることができ、とても好評だったとのことです。

 

誕生のきっかけはオンラインでの新入社員歓迎会

「おもいやりラジオ」を発案したのは設計監理部入社7年目の出原祐子氏。2年前からテレワークで勤務している出原氏は4月に参加したオンラインでの新入社員歓迎会で、オンラインゆえのデメリットを感じました。進行役がいないとコミュニケーションが不完全になると思い、5月初旬に社内限定のオンラインラジオを発案、後輩に声をかけ、約2週間で初回放送にこぎつけたとのこと。出原氏は「テレワーク勤務をコロナ以前から経験していたからこそ、離れていてもコミュニケーションは工夫次第でとることは可能と考えます。今後は社内の新しいコミュニケーションの形になるようなラジオにしていきたいです」と意気込みを語ってくれました。

代表の田尻氏も「本来であれば、新入社員にとって最初の数か月は、会社の雰囲気やスタッフ同士の距離感を理解する時期だが、コロナにより、会社の判断で3カ月間自宅待機となり、寂しい思いをさせてしまった。全員が出社している状況であれば、仕事とプライベートはある程度切り分けていても、日常的にコミュニケーションは取れるが、互いに姿が見えず話せない環境の中では、どんな人が働いてる会社なのか分からなくなってしまう。その環境の中、新卒で入社した先輩スタッフが発起人となり、DJとして他のスタッフをゲストとして呼び、ラジオを通じてスタッフ同士のつながりを情報発信してくれるのはありがたい。何よりも、スタッフが失敗談や支援を感じた瞬間を話してくれることは1年生にとって見通しになるし、自分がこれから教えてもらう先輩がどんな人なのか知れてすごく安心できる。また、プライベートなことも含めてオープンに話すことによって、スタッフ同士の風通しもよくなる効果があると思う。」と歓迎しています。

 

最後に

いかがでしたか?

ラジオ番組形式の情報発信と交流は、とても面白い取り組みだと思います。特に今年4月に入社した社員は、例年より先輩社員との交流が少なくなってしまったので、このようにコミュニケーションをとることは新入社員の安心につながったのではないかと思います。

テレワーク制度の導入により、社内コミュニケーションはますます重要になってきます。今回の事例で利用したウェブ会議システムだけでなく、チャットツールやコミュニケーションツールなどITをうまく活用すると、新しいコミュニケーションの形がどんどん生まれそうです。

 

会社データ
名称:株式会社楓工務店
設立:2007年
代表:田尻 忠義
本社:〒631-0806  奈良市朱雀3丁目1-7
URL: https://www.kaedekoumuten.jp/

 

*1:世界約60カ国で展開する、「働きがい」に関する専門調査・研究機関であるGreatPlacetoWork(R)InstituteJapanが主催。ランキング参加企業のアンケート結果を点数化し、一定レベルを超えた会社を「働きがいのある会社」として発表。楓工務店は2020年版日本における「働きがいのある会社ランキング」小規模部門41位を獲得

 

・掲載されている会社名・商品名などは、各社の商標および登録商標です。
・本記事の情報は執筆時点(2020年7月)における情報です。

クラウドサービスをコネクトしてITをフル活用

ビーブレイクシステムズでは、様々なマネジメントサービスの中からお客様にとって最適なシステム・サービスを選定し、選定された複数のシステムやサービスを繋いだサービス「コネクテッド・クラウド」を提案しています。

ERP、RPA、シングルサインオン、電子請求書、Web会議システムなど様々なクラウドサービスを上手にコネクトして仕事にお役立てください。