第8回 生産性を上げるための原価管理システム検討ポイント

生産性向上につながる!プロジェクト原価管理のシステム化」の記事でプロジェクト原価管理のシステム化が生産性向上につながることをご紹介しました。

本記事では、生産性向上をねらってプロジェクト原価管理のシステム化を検討する際、実際にどのようなポイントに留意して進めるべきかいくつかの観点からまとめました。

具体的なお話に入る前に、原価管理のシステム化と生産性向上との関係をおさらいしたいと思います。

生産性とはアウトプット/インプットで定義される指標です。一番代表的なものが労働生産性という指標です。労働生産性=生産量(付加価値額)/労働投入量(人数や投入工数) と定義されます。

システム化によって原価管理を推進することで、プロジェクト利益の向上につながり分子の生産量(付加価値額)の向上に繋がります。また、多重入力や集計作業負荷の軽減によって、分母の労働投入量の削減に貢献します。

以上の2つの理由で、生産性向上が期待できます。

本記事では、評価方法の検討、コスト、機能要件の適合度の3つの切り口で検討のポイントをご紹介します。

評価方法の検討

システムの評価指針を決めるステップです。ここで決めた指針に則って比較検討が行われます。

課題と目的の洗い出し

まず、システム導入の目的やどんな課題を解決したいのかを明確に決定することが大前提です。

導入目的やゴールを決めないまま闇雲に検討をすすめてしまうと、適切な比較検討ができません。システムを導入したはいいが、結局期待した成果が得られなかったという事態に陥る可能性が高まります。

目的が何かによって重視すべき事項や検討方針が大きく変わります。検討のあり方を大きく左右することになりますから、目的を決める作業は大変重要です。

比較要素および選考方法の決定

システムを比較検討する際の判断材料は一つではないはずです。例えば、価格、サポートの手厚さ、UI、要件への適合度、実績等様々な要素があり得ます。

上記のうち、一つが高得点でも、他の評価要素が許容範囲以下であればそのシステムを選ぶことはないでしょうし、大半の評価要素が許容範囲を上回っていても、一つ大きく欠ける要素があれば選ばないケースが多いでしょう。

基準を概ねクリアしている製品について、複数の判断材料に重み付けをして検討を行うことになります。

 

また、システムを検討する際の意思決定者は複数人になるケースが一般的です。システム導入は金額も高く、影響が及ぶ関係者も多いです。通常、複数の選定メンバーで話し合って意思決定を行うことになります。

選定メンバー間でできるだけスムーズに合意形成が取れるようにし、かつ、目的に適した製品が選ばれるようにするため、導入目的を周知の上、あらかじめ評価要素を洗い出しておき、会社として何を重視するのか、どのように決定をするのかを決めておくことが重要です。

以下、主要な評価項目をピックアップして、留意すべきポイントについて述べます。

コスト

コストは定量的な要素であるため、製品間で比較しやすく、わかりやすい評価項目です。

原価管理システムの導入では、ベンダーに見積依頼を出して回答をもらうケースが多いでしょう。目的や業務要件を満たすためにシステムに何らかの改修が必須になる場合は、それを考慮した見積を出してもらう必要があります。

ライセンス形態はベンダーによってまちまちです。

初期費用を高めに設定しているケースもあれば、ランニング費用でコストを回収するモデルを採用しているケースもあります。価格は単純に初期費用のみを比較するのでなく、ランニング費用を加味して複数年で評価するのがよいでしょう。

また、システム導入では、見積で明示されない隠れたコストが発生します。

例えば

  • 要件定義への参加、ユーザテスト等で発生する導入担当者の人件費
  • システムを利用する社員への教育にかかる人件費
  • データの移行作業にかかる人件費
  • 将来の法改正への対応費用

等が考えられます。

上記作業や費用をどれだけベンダー側が負担してくれるかは、ベンダーの方針や見積の前提によってまちまちです。

単純に見積金額を比較するだけでは、これらの付随費用が反映されておらず適正な評価が行えないリスクがあります。関連費用を考慮してコストを算出、比較することが重要です。

機能要件の適合度

原価管理システム導入において、業務要件の適合度は重要度の高い要件の一つです。

原価管理システムは、業務管理システム(勤怠管理や受注管理等、日常業務で使用するシステム)に原価計算・集計機能を付加したものが一般的です。

どのような企業でもある程度決まった手順で業務を処理しているはずですし、最低限満たすべき業務要件があります。システム導入を期に業務改善を行う場合は、ToBeの業務フローや業務要件があるはずです。

業務要件に対して適合度が低い場合、それらを補うためにシステム外での手作業が発生するため、業務の効率性が落ちます。当然生産性は下がります。

業務の核となる要件を満たさない場合は、そもそも業務自体がまわらない状態に陥ることも考えられます。

 

重要な要件が漏れていて選定後に十分な運用効果が出せないという事態に陥るのを防ぐため、システム検討を開始する前に現状の業務調査、洗い出しを行い、要件を整理しておくことが必要です。

業務要件の適合度の評価方法としては、要件を記載した資料を配って、ベンダーに○や×等で回答してもらう。あるいは、デモや質疑応答を通じて自社で判断し回答を作成する等が挙げられます。

まとめ

プロジェクト原価管理をシステム化するにあたり留意すべき点をご紹介しました。

原価管理をシステム化することで生産性向上や業務改善等の効果が期待できます。しかし、システムは導入さえすれば高い効果が得られる魔法のツールではありません。

システム導入の目的をきちんと定義し、適切な判断基準にそって比較検討を進める必要があります。

システム導入後も、導入が完了したからといって生産性向上の取り組みを終わらせるのではなく、目標が達せられたかどうか継続的にチェックし、改善活動を続けていきましょう。

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