ERPは会社の規模が小さくても導入すべきか

小が大に勝つには

ビジネスの世界では資本力が大きく、大きな投資が可能な大手企業はやはり有利な場面が多く、中小企業は太刀打ちできない場面というのは多々あるかと思います。

それでは、中小企業が大企業に勝つことは絶対にできないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。

それでは、どのようにすれば中小企業が大企業に勝つことができるのでしょうか。

中小企業が大企業に勝つには大企業とは違ったことをやる必要があります。

多くの大企業では組織が大きい分、何か行動を起こすときには決められた手続きをしっかりと行う必要があることがほとんどです。

そしてこれには結構時間がかかります。ここに中小企業の活路が有るのではないでしょうか。

中小企業が大企業に勝つ、または対等以上に渡り合うにはやはり中小企業ならではのスピーディーで柔軟な意思決定、ビジネス展開が必須と言えます。

大企業が行動を起こすにあたって、調査や社内での承認プロセスに時間をかけている間に迅速に行動を起こし、先行して勝負をかけるのです。

それでは中小企業が大企業に勝つためにスピーディーで柔軟な意思決定を行うには何が必要でしょうか。

それは、「正確でタイムリーな自社の経営資源の把握」です。

 

 

ERPは大企業向けか?

ERPはEnterprise Resources Planning の略で、「基幹系情報システム」を指します。

企業の経営資源(ヒト・モノ・カネ)に関する情報を一元管理することで、「正確でタイムリーな自社の経営資源の把握」を可能にする、企業の戦略には欠かせない重要なツールです。

このERPですが、少し前までは大きな費用を投じて、時には年単位の大規模プロジェクトによって導入するということが多く、採用企業の多くは大企業でした。

しかしながら、近年ではクラウド技術の発達など、技術革新の恩恵もあり小規模かつ比較的費用を抑えた形での導入が可能となっており、中小企業での導入も増加しています。

企業の規模が比較的小さい段階からERPを活用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

中小企業にとってのERP導入のメリット

意思決定のスピードアップ

ERPのメリットは第一には先程も述べたように「情報の一元管理」です。

様々な小規模システムが乱立していたり、たくさんのExcelファイルを用いて業務管理を行っていると、システムやファイルをまたがって情報を分析したり状況を把握するのが非常に難しくなります。

それは意思決定のスピードに直接影響を与えます。

ERP導入によって情報を一元管理することで、「正確でタイムリーな自社の経営資源の把握」を可能にし、柔軟で適切な経営判断、意思決定を可能にする環境を整えることができます。

社内リソースの効率的な運用・生産性の向上

こちらも「情報の一元管理」に起因するメリットの一つです。

ERPの利用により、リソースの稼働率や逼迫状況を正確に把握することができれば

効率的に利用することが可能になります。

ひいては無駄を減らし、生産性の向上にもつながります。

運用・保守費用の削減

小規模のシステムやExcelファイルを駆使して業務管理を行っている中小企業では、

一見すると運用や保守費用にはそれほどコストがかかっていないように見えるケースはよくあります。

しかしながら、実はExcelのマクロのメンテナンスや小規模システムのトラブル対応などに社員の誰かが多くの時間を割いていたり、ファイルやシステムのトラブルによって本来の業務に停滞が生じたりと見えていないコストが大きくなっていることがよくあります。

ERPの利用でシステムの安定稼働、ベンダーによる保守サービスの提供等を受けることにより、これまで生じていた見えない運用コストを削減し、それを生産業務へ振り向けることが可能になります。

つまり本来やるべき業務に集中できる環境を作ることができ、生産性の向上にも寄与します。

クラウドERPの導入コスト

近年ではクラウドERPという形で、すでに完成したERPの機能を買うのではなく、サービスとして利用することができます。

ERPの導入はこれまでは数千万円~数億円の費用を投じて導入作業とアプリケーションを購入するという形がメインでしたが、クラウドERPであれば毎月費用を払ってサービスを利用することができます。

この場合、初期投資に多額の費用を投じる必要がありませんし、もし利用開始後に自社の業務にフィットしていないと判断した場合も利用を停止しやすいと言えます。

毎月の利用料金はユーザー数で決定することが多くなっています。

最安では数万円からという水準で利用可能なものもあります。

まとめ

このように会社の規模が比較的小さい段階からでもERPを導入することのメリットは非常に大きく、大企業と渡り合い勝っていこうと考える企業ではぜひ導入すべきと言えます。

そして近年の技術革新により、導入コストが低減してきている環境は中小企業にとって非常にありがたいことではないでしょうか。

インターネットの登場からはじまった技術革新によって、大きな資本が無くても勝負ができる環境に世の中はどんどん変わって来ています。

ERPはチャンスにあふれている今の時代に積極的に勝負する起業家、経営者の強い味方になってくれると思います。

 

筆者プロフィール

WORK-PJ編集部
WORK-PJ編集部ビーブレイクシステムズ
新しい「働き方」やそれを支えるITツールにアンテナを張っています。面白い働き方を実践している人はぜひ教えてください!