ビジネスの基本的な法律知識を習得!ビジネス実務法務検定試験の概要

「新たな会社と取引をするために契約を結ぶ」、「セミナーを受講した人に向けてメールマガジンを配信する」、「自社製品とそっくりなデザインの新製品が他社から販売された」など、日々ビジネスの現場では、新しいことを始めたり、いろいろな出来事が起きたりします。これらひとつひとつに様々な法律が関わっていることはお気づきでしょうか?

普段仕事をしているときはあまり意識していなくても、ビジネスシーンで関係する法律は数多くあります。当然のことながら、ビジネスはその法律(ルール)に則って行わなければいけません。法律知識がないために、知らず知らずのうちに法律違反を犯してしまったというわけにはいかないので、一人ひとりがコンプライアンス(法令遵守)能力を身につけ、事前にリスクを回避、問題を適切に解決することはとても重要です。しかし、ビジネスに関連する法律を自分で調べて理解するということは、法律に詳しくない方には難しいのではないでしょうか。そこで今回は、ビジネスを行う上で必要な基本的な法律知識を習得することができる検定試験をご紹介したいと思います。

それが「ビジネス実務法務検定試験®」です。

ビジネス実務法務検定試験®とは

ビジネス実務法務検定試験(通称「ビジ法」)は、東京商工会議所が主催している検定試験です。ビジネスに不可欠なコンプライアンス・法令遵守能力の基礎となる実践的な法律知識を体系的かつ効率的に身につけることを目的とした試験です。

ビジネス実務法務検定の試験概要

ビジネス実務法務検定試験は、例年7月の第1日曜日(暦によっては6月)と、12月の第2日曜日の年2回実施されています。7月は2級と3級の試験が、12月は全ての級(1・2・3級)の試験が行われています。2019年度は、6月30日(日)に2級と3級の試験が行われており、次回は12月8日(日)に1級と2級と3級の試験が実施される予定となっています。

なお、2020年は東京オリンピック・パラリンピックの開催にともないスケジュールが変更になり、6月21日(日)に実施されることが発表されています(参考URL: https://www.kentei.org/information/info.php?aid=2291 )。

受験場所については、現在すべての都道府県で実施されています。一部の場所では、2級と3級の試験のみ実施しているところもあるようなので1級を受験する方はご注意ください。

各級の出題範囲や合格基準などについて

それでは級ごとに出題範囲や試験形式、時間、合格基準などについて詳しくみていきましょう。

<3級>

「ビジネスパーソンとしての業務上理解しておくべき基礎的な法律知識を有し、問題点の発見ができること」が基準となっており、3級の公式テキストが出題範囲です。

2019年度版3級公式テキストの範囲

1.ビジネス実務法務の法体系

2.企業取引の法務

3.債権の管理と回収

4.企業財産の管理と法律

5.企業活動に関する法規制

6.企業と会社のしくみ

7.企業と従業員の関係

8.ビジネスに関連する家族法

 

試験時間は2時間、マークシート形式です。

合格基準は100点満点中70点以上です。

受験資格は特に設けられておらず、学歴・年齢・性別・国籍による制限はありません。そのため学生の方も数多くチャレンジしているようです。東京商工会議所が発表している2018年の受験者のデータによると、「高校生・専門・短期大学生」と「大学生」合わせると1割以上の方が受験しています。

<2級>

「企業活動の実務経験があり、弁護士などの外部専門家への相談といった一定の対応ができるなど、質的・量的に法律実務知識を有している」ことが2級の基準です。3級の範囲にプラスして2級公式テキストの基礎知識とその応用力が出題範囲です。

2019年度版2級公式テキストの範囲

1.企業取引の法務

2.債権の管理と回収

3.企業財産の管理・活用と法務

4.企業活動に関する法規制

5.株式会社の組織と運営

6.企業と従業員の関係

7.紛争の解決方法

8.国際法務(渉外法務)

 

試験時間は2時間、マークシート形式です。

合格基準は100点満点中70点以上です。

受験資格は3級同様特に制限を設けていません。3級をとばして、2級から受験することも可能です。なお2級と3級の試験は同じ日の午前と午後に行われるので、併願受験もできます。

<1級>

1級は「業務上必要な法務知識をビジネス全般にわたって持っており、その知識に基づいて多面的な観点から高度な判断・対応ができる」ことが基準です。

1級は共通問題と選択問題で構成されています。

共通問題は、民法および商法を中心に、全業種に共通して発生することが考えられる法律実務問題が2問(2問とも必須)出題されます。

4問中2問を選択する選択問題では、特定の業種に関連する一連の法律が取り上げられ、実務担当者が遭遇する様々な場面を想定して出題されます。例えば、「取引上のトラブルを処理」、「取引関係に立たない第三者とのトラブルを処理」、「法務関係の上司や弁護士などの専門家に法的トラブルの顛末・処理方法を報告」、「予防法務的観点からトラブルになりそうな問題に対応」などの事例を通じて実務の対応能力が問われます。

試験時間は、共通問題と選択問題がそれぞれ2時間です。共通問題、選択問題ともに論述式の試験問題です。

合格基準は、共通問題2問・選択問題2問の200点満点とし、各問題で得点が50%以上でかつ合計点が140点以上です。

1級については、2級合格者のみが受験できます。

勉強方法

勉強のベースとなるのは、東京商工会議所が毎年発行している「公式テキスト」と「公式問題集」です。そもそも試験の出題範囲が「公式テキスト」なので、受験する級の「公式テキスト」は必ずチェックしましょう。また、東京商工会議所で受験対策のセミナーや公式の通信講座が開講されているので、こちらを活用してもいいと思います。

筆者は以前、2級と3級を同日併願受験し合格しました。そのときの勉強方法をご参考までに紹介します。試験対策の教材としては、「公式テキスト」と「公式問題集」だけを使用しました。まずは「公式テキスト」を一通りざっと読み流したあと、「公式問題集」を解き、間違ったところやあいまいだなと感じたところを「公式テキスト」で確認しました。「公式問題集」には過去の実際の試験問題も収録されているので、過去問を繰り返し解いて、試験前までにはほぼ満点になるようにして試験に臨みました。過去問を解くとき、実際の試験時間より短い時間を設定して解いていたので、本番では時間に余裕があり答えの見直しもじっくり時間をかけてできたのでよかったです。

一つ反省点としては、勉強時に過去問は2級のみしか行っていなかったので、同日に併願受験していた3級の試験問題の形式が見慣れず少し戸惑いました。もし併願受験する場合は3級の過去問も事前に目を通しておくことをお勧めします。

まとめ

法律は独特の言い回しなどがあり、慣れないうちは少し難しく感じるかもしれません。しかし、ビジネス実務法務検定試験は、実践的な問題も多くビジネスシーンのイメージがわきやすいので、法律に苦手意識を持つ方も比較的勉強しやすいと思います。

ビジネス実務法務検定試験でビジネス上の必要な基本的な法律知識を習得し、コンプライアンス能力を身につけリスクを回避しながら、自分たちのビジネスをますます発展させていきましょう。

 

ビジネス実務法務検定試験®公式サイト ( https://www.kentei.org/houmu/ )

※ビジネス実務法務検定試験®は東京商工会議所の登録商標です。