プロジェクトマネジメントに特化した2種類の資格試験、本当に取得するべきか?

IT業界でチームリーダーやプロジェクトマネージャとして活躍するためにおすすめなのが、プロジェクトマネジメントに特化した資格を取得することです。特におすすめなのが、プロジェクトマネージャ試験とPMPで、どちらもプロジェクトマネジメントを行う立場の人にとって、非常に役立つ資格で、IT業界でプロジェクトマネージャになる場合や、転職する際に役立ちます。

ここでは、この二つの資格がどのような資格なのか、合格率や問題形式はどうなっているのかなどについて、詳しくご説明します。これからこの二つの資格を取得しようとしている人は、ぜひ参考にしてください。

マネジメントに特化した資格「プロジェクトマネージャ試験」

プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトの責任者として働くために必要な知識やスキルを問われる資格です。

計画の立案、リソースや環境の確保、予算・納期・品質の管理、進捗管理、リスクマネジメント、組織運営などに関する問題が出題されます。IT系の知識や技術だけでなく、経営戦略についての知識が必要です。

<プロジェクトマネージャ試験の試験概要>

主催団体 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
合格率 平成30年度:13.2%
実施時期 毎年4月
試験時間と試験形式 午前Ⅰ(50分):30問の多肢選択式共通問題
午前Ⅱ(40分):25問の多肢選択式問題
午後Ⅰ(90分):3問の記述式問題のうち2問に解答
午後Ⅱ(120分):2問の論述式問題のうち1問に解答
合格ライン 全ての試験で満点の60%以上の点数を取得

 

プロジェクトマネージャ試験に合格するための勉強量の目安は、最低でも50時間以上といわれています。もちろん、管理職経験の有無やIT系の知識量などの違いによって、必要な勉強量は人によって異なります。また、論述式問題もあるため、論述問題に慣れる必要もあります。

仕事をしながら全て独学で勉強して合格することも可能ですが、スクールやeラーニングなどを上手に活用し、通勤時間などの隙間時間を利用して勉強することをおすすめします。

プロジェクトマネージャ試験に合格すれば、プロジェクトの責任者としての業務を適切に対応できるレベルにあるとみなされます。IT業界でプロジェクトマネージャとしての活躍を希望する方は取得をおすすめします。

プロジェクトマネジメントの国際資格「PMP」

PMP(Project Management Professional)は、アメリカに本部があるPMI(Project Management Institute)というプロジェクトマネジメント団体が認定する国際資格です。

プロジェクトマネージャ試験と異なるのは、海外でも通用するという点で、日本にPMI支部があり、日本語で受験することが可能です。

PMIがプロジェクトマネジメントのノウハウや手法を体系的にまとめた、PMBOK(Project Management Institute)というガイドブックがあります。PMBOKはプロジェクトマネジメントの世界標準と呼ばれるもので、PMPの教科書のようなものですから、PMBOKをしっかり学ぶことが、PMPの試験対策になります。

<PMPの試験概要>

主催団体 PMI(Project Management Institute)
合格率 約60%
実施時期 PMIに受験申し込みをして試験スケジュールを決める
試験時間と試験形式 4時間で200問の選択式問題、うち25問がダミー問題で、実質175問
コンピュータによる試験
4時間のうち15分はコンピュータ操作のチュートリアルのための時間
合格ライン 175問中、106問以上正解が合格ライン

 

PMPに合格するための勉強時間の目安は、100時間から200時間といわれています。毎日2時間勉強しても3ヶ月から4ヶ月かかる計算になりますから、しっかりと計画的に勉強する必要があります。

もともとプロジェクトマネージャとしての経験がある人は、さらに勉強時間が短くなるかもしれません。

PMPを受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • プロジェクトマネジメントの指揮・監督をする立場での経験がある
  • 35時間以上のプロジェクトマネジメント研修を受ける

さらに、試験申込時には、過去に経験したプロジェクトについてまとめた「プロジェクトマネジメント経験証明」の提出も必要です。

PMPに合格すれば、プロジェクトの責任者としてのスキルが国際的に通用するレベルであることを証明することができます。

短時間で大量の文章を書く論述式問題が特徴

プロジェクトマネージャ試験では、論述式の問題が出題されます。そのため、試験範囲の知識を持っていたとしても、文章力がなければ合格することができません。試験に合格するためには、決められた文字数で、読む人に的確に意図を伝えられる文章を書く能力が必要です。

プロジェクトマネージャは、プロジェクトの責任者として、また、経営者として活動する際に、高い文章力が必要とされます。プロジェクトマネージャとして活躍するには、文章力を磨くことも重要です。

実務経験を積んでから、プロジェクトマネジメントの資格取得を検討しよう

プロジェクトの責任者になるためには、作業者としての実務経験が必要です。いくらプロジェクトマネージャとしての知識があっても、実際の業務を知らなければプロジェクトの管理や計画などを進められないからです。

SEとしてシステム開発業務の経験や、サーバーやネットワーク環境の構築や管理の実務経験がなければ、それぞれのプロジェクトのリーダーになれるはずはありません。業務内容を知っているからこそ、プロジェクトの計画や管理、予算の確保、リスクマネジメントができるのです。

そのため、プロジェクトマネージャとして活躍したいなら、まずは実務経験を積みましょう。どのような業界でもいえることですが、特にIT系のスキルは実務で培われます。IT系の資格試験はいくつも存在しますが、資格の勉強で得た知識だけでは実務をこなすことはできません。システム開発者として何回か開発サイクルを経験することで、IT系スキルを身に付けることが可能です。

プロジェクトマネージャ試験やPMPを受ける際にも、まずは実務経験を積むことで試験に合格しやすくなります。実務経験なしに、いきなりマネジメント系の資格を受けるのではなく、まずは実務経験を積みましょう。

IT業界未経験者は「基本情報技術者試験」から

IT系の資格試験はいくつも存在しますが、IT業界未経験者は最初にどんな資格を取得すれば良いのでしょうか。

最もおすすめなのが、基本情報技術者試験です。この資格に合格すれば、マネジメント系の知識も含め、IT系の基本的な知識の全般を身に付けることができます。

試験内容は、システム開発の基本やアルゴリズム、プログラミングの基礎、セキュリティに関する知識など、IT系の幅広い知識やスキルが網羅されているため、IT業界未経験者が手始めに取得することを、おすすめします。

もし、基本情報技術者試験が難しいと感じたなら、難易度が低いITパスポートを受けると良いでしょう。基本情報技術者試験に合格したら、もう一段難易度が高い応用情報技術者試験を受験することをおすすめします。システム開発者としてのスキルを高めていくことで、プロジェクトマネージャとしての道が開けるはずです。

まとめ

IT業界でプロジェクトマネジメントに特化した資格には、プロジェクトマネージャ試験とPMPがあります。どちらも、プロジェクトマネージャとして十分な知識とスキルを身に付けたことを証明できる資格です。PMPは国際規格なので、海外にも通用する資格でもあります。

どちらも難易度が高い資格のため、勉強時間を確実に確保して計画的に勉強する必要があります。IT業界未経験者は、まずは実務経験を積み、基本情報技術者試験を取得することをおすすめします。IT系の基本資格を取得しながら実務経験を積むことで、プロジェクトマネージャへの道が開けるでしょう。