独学で簿記2級を3カ月で合格した勉強法
本記事では独学で簿記2級を3カ月で合格した筆者が、あくまでも自己流ですが、どのように勉強を進めていったのか紹介します。
目次
簿記2級とは
概要
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。
(日本商工会議所サイトより引用)
出題範囲と合格基準
試験科目 | 試験時間 | 合格基準 |
商業簿記 工業簿記(原価計算含む) | 90分 | 70%以上 |
「商業簿記」は、購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算 する技能で、企業を取り巻く関係者(経営管理者・取引先・出資者等)に対し、適切、かつ正確な報告(決算書作成)を行うためのものです。
「工業簿記」は、企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能で、経営管理に必須の知識です。
(日本商工会議所サイトより引用)
勉強方法
勉強の進め方(実体験)
ここからは、時系列に沿って勉強内容を書いていきます。
基本的な勉強の進め方としては、テキストを中心に勉強を進めて、分かりづらい論点は下記に記載するyoutubeやweb講義で理解を深めていきました。
また、使用したテキストは、「みんなが欲しかった! 簿記の教科書(TAC出版)」です。簿記3級取得時に使用したという理由で、このシリーズの教科書と問題集を購入しました。
一ヵ月目 工業簿記 教科書で基礎固め
まず、筆者の仕事で工業簿記の知識が役に立つことがあったため、商業簿記ではなく、工業簿記から手をつけました。
最初の1周目は一通り目を通すだけで章末問題を解かずに、概要と全体のボリュームの把握のみ確認しました。2周目でテキストを読み→章末問題を解く。3周目では、2周目で間違えた問題を再度解き直しました。
平日は朝出勤前に1時間、夜帰宅後に1時間。休日は2~3時間。これに加えて、通勤時間でweb講義、youtubeを使用して、内容理解を深めていきました。
二ヵ月目 商業簿記 教科書で基礎固め
大まかな勉強の進め方は工業簿記と同様です。異なる点は、途中で簿記3級の復習を行った点です。
三ヵ月目 問題集+模擬試験演習
問題集は全範囲、問題集に付属していた模擬試験は第1問、第4問、第5問のみ6回分を解きました。途中、中だるみといいますか、勉強がはかどらなかった時期があり、本来は模擬試験も全範囲解いてみたかったですが、時間がなかったので点を取りたい範囲のみ解き、本試験に臨みました。
本試験を解いた個人的感想としては、模擬試験演習は必要なかったかなと思います。使用していた問題集の質も良く、問題集に掲載されていた問題と類似した問題が本試験では出題されました。
個人的におすすめの参考サイトなど
(1)ふくしままさゆき
No1簿記youtuber。内容がとにかくわかりやすいです。大学院で会計学を専攻して、講師として簿記の講義を行っている方で、この人を知っているか知らないかで合否が大きく左右されると思っています。
ただ、簿記2級の中でつまずきやすい論点として挙げられる連結会計、税効果会計などは、有料会員のみが視聴可能です。
https://www.youtube.com/@bokiYouTuber
(2)CPAラーニング
無料の会員登録を行うことで、試験範囲の全講義動画が無料で視聴可能です。私は、(1)の動画とあわせてこちらのCPAラーニングを視聴していました。
(3)パブロフ簿記
各論点に対して、イラストありでわかりやすく解説されています。普段使用しているテキストとは、別の視点で解説されているので一部参考になった記憶があります。
試験のコツ
工業簿記を得点源に
得点配分が、商業簿記 60点 工業簿記 40点となっています。
工業簿記の配点は低いですが、下記2点が理由で満点が目指しやすいです。
- 2級から追加された試験範囲の為、基本的な問題が多い。
- 出題パターンが決まっている。
問題集を繰り返し解いて、満点を狙っていきましょう。
本試験でも工業簿記を優先して解きました。問題の解く順番としては、4→5→1→2→3 で解いていきました。時間に余裕がある内に、工業簿記を解きたいです。
商業簿記では満点を目指さない
合格基準は70%以上です。
試験でわからない点はスルーして、解き進めていきましょう。工業簿記で40点とって、残りの30点を拾いに行くくらいの気持ちでいいと思います。連結会計で1、2問仕訳が出来なくても、大コケしないです。50%取れれば充分です。それに比べて、工業簿記は大コケしやすので準備をしっかりしましょう。
ネット試験の勧め
今までは筆記試験のみでしたが、コロナをきっかけにネット試験が導入されました。
直近の合格率を比べてみると、筆記試験が約20~25%、ネット試験が約37~40%です。日本商工会議所は、「難易度は同レベル」と名言しておりますが、合格率を比べてみると圧倒的にネット試験の合格率が高くなっています。
ここまで差がある要因(個人的感想)
(1)仕訳の際にプルダウンで入力可能
時間との闘いになるこが多い簿記試験で、画数の多い勘定科目をプルダウンで選択できることは、時間短縮に大いに貢献します。
(2)試験の延期が可能
筆記試験のように開催日時が決まっていると、試験準備が完全にできていなくても開催日時で強制的に試験を受けることになりますが、ネット試験では準備が出来ていなければ試験日の延期が可能です。
ある程度準備が出来たタイミングで試験に臨めるので、ネット試験と筆記試験でここまでの差が生まれたのかなと思います。
最後に
私の実体験をもとに、簿記2級の勉強法を紹介しました。今の時代、youtubeやweb講義など無料のコンテンツが非常に充実しているので、最低限の費用でも合格可能な環境が整っています。
本記事の内容が簿記2級取得を検討される方にとって参考になれば幸いです。
※本記事の情報は執筆時点(2023年9月)における情報であり、掲載情報が実際と一致しなくなる場合があります。必ず最新情報をご確認ください。
筆者プロフィール
- ERP「MA-EYES」の営業担当。体に悪そうならーめんが好きです。
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