RPAの資格「RPA技術者検定」は取得すべき? ビジネスにおけるメリットを解説
RPAとは、人間が定義できるエクセルやブラウザなどの操作手順を自動で行ってくれるツールです。人手不足の解消や働き方改革が叫ばれている日本で、今、最も必要とされる仕組みではないでしょうか。この技術を獲得するための資格には、RPA技術者検定があります。
日本国内では、WinActorと呼ばれるRPAツールを使用した技術や知識レベルを評価するための検定を、WinActor提供元であるNTTデータ社が実施しています。
しかし、資格を取得するならメリットがなければ意味がありません。この検定に合格することで、ビジネスにおいてどれくらいのメリットがあるのかをまとめてみました。
目次
「RPA技術者検定(WinActor)」とは
RPA技術者検定(WinActor)とはどのような検定なのかを見てみましょう。
3段階のレベルが存在
RPA技術者検定はWinActorの技術者向けの資格となります。次の3段階のレベルが存在します。
アソシエイト【基本知識を学びたい人向け】
50問の択一問題が出題され、試験時間は60分です。
全国におよそ150か所あるテストセンターで随時受検することができ、正答率が70%以上に達すると合格です。受験料は6,500円(税込)です。
- WinActorの基本的な知識や操作方法
- WinActorによるシナリオ作成の基本知識
などが問われます。
エキスパート【実際の業務でWinActorを使う人向け】
4問の実技試験が出題され、試験時間は120分です。
年4回、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡で試験が開催され、概ね正答率60%が合格の目安です。受験料は15,000円(税込)です。
- WinActorに関する深い知識
- WinActorでのシナリオ変更や運用保守対応などの実務に必要な知識
などが問われます。
プロフェッショナル【最もレベルの高い試験】
最もレベルの高いプロフェッショナル試験は今後実施が検討されていますが、現状はまだ実施されていません。実技と面談が120分実施される予定で、受験資格はエキスパート検定の合格者に与えられます。年1回東京で実施されることが検討されているようです。
問われる内容の情報はまだありませんが、かなり高レベルの知識や技術、実技能力が求められるでしょう。
はじめての人は無料の「RPA入門講座」から始めよう
上記の3段階に到達する前にWinActorやRPAについて概要から学びたい人は、アソシエイトよりも下の、RPA入門講座がおすすめです。インターネットで無料の講習動画を見た後、問題に答える形式です。択一式の問題が20問出題され、正答率が80%以上に達すると合格です。
資格取得のための勉強方法とは
検定を受けるなら勉強する必要がありますが、エキスパートのみ参考書籍が販売されています。
【書籍の概要】
書籍名:WinActor® RPA技術者検定 エキスパート ~実施問題と解説~
提供形式:電子書籍形式
販売開始日時: 2019年2月15日(金)午後1時より
販売価格:3,780円(税込)
販売サイト:ヒューマンアカデミーオンライン https://ec.athuman.com/products/detail/472
また、ヒューマンリソシア社では、NTTデータと共同でカリキュラム開発をし、WinActorのe-ラニングコンテンツの提供、教育研修を実施しています。他にも講座を開催している会社もありますが、今回はヒューマンリソシア社についてご紹介します。
ヒューマンリソシア社のeラーニングコンテンツ
講座名 | 内容 | 料金(税別) |
RPA入門講座 | 基本的な知識や使い方の学習 eラーニング形式 無制限に視聴可能 | 無料 |
これで解決!WinActorシナリオ作成講座 (よくある操作編) | 現場でよく使うシナリオ作成方法の学習 eラーニング形式 30日間視聴可能 | 20,000円 |
「これで解決!WinActorシナリオ作成講座」は法人向けとなっています。
ヒューマンリソシア社が実施している教育研修「シナリオ作成技術者養成研修」
講座名 | 内容 | 料金(税別) |
初級 | 基本的な機能の説明とともに、簡単なシナリオ作成を通じて使い方の理解を深めます。 7時間×1日 | 30000円/人 |
中級 | 実践的な例題によるシナリオ作成・講師による解説を通じ、効果的なシナリオ作成を実現するための知識を養います。 7時間×2日 | 50000円/人 |
上級 | 中級までに把握したWinActorの各機能を活用し、実践的にシナリオを作成することで、自立して作業ができる方を育成します。 7時間×1日 | 50,000円/人 |
RPA資格を取得するメリット
これらの資格を取得することによる、メリットについて見てみましょう。
RPA技術の客観的な評価基準となる
この検定を取得することで、知識や技術を保有しているという評価を客観的な立場から得ることができます。WinActorを仕事で使う人が昇給や昇格を目指す、RPA技術を活かして転職や独立をするなどの場合に役立つでしょう。
国内シェアトップのRPAソリューション「WinActor」を使いこなせるようになる
資格を取得するために勉強することで、WinActorを使いこなせるようになります。RPAソリューションの中ではWinActorが国内シェアトップですから、RPAを使って仕事をするならどこに行っても役立つはずです。
WinActorを使いこなすことができれば、仕事の作業効率を高めたり働き方改革を推進したりと、役立つことが多いでしょう。ツールとして非常に優秀ですから、どのような仕事をしていても役立ちます。
また、これから勉強する人にとっては、資格を取得することが良い目標になるでしょう。
自身のアピールポイントとなる
資格を持っているということは、間違いなく自身をアピールできるポイントになります。現時点で日本でのRPA資格はこれだけなので、WinActorを使う仕事をしている人であれば取得しておいて損はないでしょう。さらに、合格すれば、合格者であることを示すロゴを名刺などに印刷することが許されています。ロゴの形や色、フォントサイズなどに細かい規定がありますが、仕事でWinActorを使う人には良いアピールポイントになるでしょう。
RPAの資格は本当に必要なのか?
この検定に合格することで全ての人にメリットがあるとは限りません。どのような場合に必要なのかを見てみましょう。
一般のホワイトカラー業務には必要なし
この資格が役に立つのは、WinActorを業務に使っている技術者でしょう。ですから、そもそもWinActorを使う機会があまりないなどという人には必要のない資格です。そのため、WinActorに関わる技術者でもない限り、一般的なホワイトカラー業務を行う人にはあまり必要ないでしょう。
まずは自身のビジネスにおいて資格が必要か確認を
資格を取得するためには勉強する時間が必要ですし、講座の受講料や資格試験の受験料もかかります。時間のないビジネスマンにとって、本当にこの資格のために時間やコストを費やすことによって得られるメリットがあるのかを、もう一度考える必要があるでしょう。専門的な分野の資格になりますので、自分のビジネスにとって、この資格を取得することでどれくらいの効果が得られるのかをよく考えましょう。その上で、メリットが大きい場合には資格の取得のために動く方が良いと思われます。
まとめ
RPA技術者検定とは、RPAツールであるWinActorに関する知識や技術を問う検定です。この資格を勉強するためのテキストは一般販売されていませんが、いくつかの有料講座が存在します。この資格を取ることで、WinActorの技術や知識を持つことを証明できる、WinActorを使いこなせるようになる、アピールポイントになるというメリットが得られるでしょう。
しかし、自身のビジネスにこの資格が本当に必要なのかは、受験前によく考えておく必要があります。
WinActorを使ってソリューションを提供する業務を行っている方であれば、取得しておくことで役に立つのではないでしょうか。
筆者プロフィール
- 新しい「働き方」やそれを支えるITツールにアンテナを張っています。面白い働き方を実践している人はぜひ教えてください!
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