RPAツールの特徴別分類:ITツール・サービス徹底比較

人手不足解消の解決策の一つとして期待されているRPAツール(RPAツールがどのような物かは、働き方改革で注目されるRPAとは何か をご参照ください。)ですが、現時点でも多くの種類が存在し、海外製も含めれば40種類程度あると言われているようです。

そのような状況もあって、自社の課題解決や業務の効率化にはどれを選べば良いのか少々わかりにくいと感じられている方向けに、今回はRPAツールで一般的に言われている特徴別の分類を整理してみたいと思います。

 

サーバー型 / クライアント型 → 運用管理方式による分類

サーバー型

自動操作の手順を記録したファイル(=ロボット)をサーバーで一元的に管理するタイプ。
統制をとって全社的に実行していくような運用が可能です。

以下のような特徴が挙げられます。

  • サーバー上でロボットが稼働するので、ロボットを複数同時に動かすことができる
  • 使用にあたって個別の端末にロボットを配布する必要がなく、運用が楽に行える
  • ロボットの変更時に個別の端末にロボットを配布し直すなどの手間が不要で運用が楽
  • 全社で大規模に展開していくことを念頭にしたシステム構成の検討が必要で導入のハードルが高い
  • 個別の端末トラブルにロボットの作業が影響されない
  • クライアント型RPAツールに比べて初期投資は高額になる

 

クライアント型(デスクトップ型)RPAツール

ロボットを端末(=PC)ごとにインストールして実行するタイプ。
PC内のアプリケーションを操作し、PC作業者の作業を自動化します。

特徴としては以下が挙げられます。

  • 最小PC一台だけで導入することができ、導入のハードルが低い、短期導入が可能
  • サーバー型RPAツールに比べて初期投資は低く抑えられる
  • 担当者個人による管理レベルでの導入が可能で、高度なスキルを持った専門人材は不要
  • 「ツール」というにふさわしく、office製品のように担当者が気軽にロボットを作成して利用することができる

 

サーバー型が良いかクライアント型が良いかは導入後にどのような展開を想定しているかによって選定を考える必要があります。

組織の中の一部門での利用を考えているというケースであれば、管理レベルや導入のハードルが低いクライアント型RPAツールの方が望ましいと言えます。

対して全社的に利用を展開し、複数の社内システム間連携なども想定されるような場合はサーバー型RPAツールの方が適していると言えます。

ただし、最近では各RPAメーカーによる製品開発により、従来クライアント型RPAツールだった物がサーバー型での運用も可能になるなど、境界線がなくなりつつあるという状況でもあります。

RPAツールの進化はまさに日進月歩のため、現時点で自社にとって課題になる点がある製品でも、製品のレベルアップによって近い将来解消される可能性が大いにあります。
導入の検討にあたってはこのような各製品の将来性まで留意する必要もあるかもしれません。

海外製RPAツール / 国産RPAツール → 開発企業の国籍による分類

RPAツールには海外企業によって開発され、日本に持ち込まれたものと日本企業によって開発されたものとがあります。

国産RPAツールの特徴としては、やはり国内企業の開発ということで
・日本語対応
・保守サポートへの安心感
などが挙げられます。

しかし、RPAツール全体として見ると国産RPAツールは比較的後発製品が多いようです。
また、比較的小規模導入向けが多いのも特徴と言えます。

ただ、日本はRPAツール市場が世界の中でも非常に活況と言われ、海外製RPAツールの有力メーカーも次々と日本に進出してきています。
今後は海外製RPAツールでも安心して使いやすい環境が整備されていくと思われます。

自社のニーズに対し国産RPAツールが合っていればそのまま選択するのが良いと思いますが、他の特徴から海外製RPAツールが適していると思われる場合であれば、今後の環境整備に期待して海外製を選択するというのも選択肢としては十分あり得ると思います。

簡易型 / 専門型 → ロボット作成の難易度による分類

簡易型か専門型かという分類は、簡単に言うとロボットの作成においてソフトウェアの開発経験が求められるか否かという分類になります。

こちらはRPAツールの運用管理を専門部署にて行うのか、ユーザー部門にて行うのかというところが選択の分かれ道なるかと思われます。

RPAツールを全社展開も見据えて大規模に使っていくようなケースでは、運用管理も専門部署をおいて高度なスキルを持った担当者を用意することになるかと思います。
そのような場合であれば「専門型」のRPAツールを選択することが可能だと思います。

しかしながら、運用管理はユーザー部門自らが行い、小規模な展開を想定しているようなケースであれば、基本的には「簡易型」のRPAツールを選択した方が良いかと思います。

最後に

ここまでの分類は基本的に商用ツール(=有償)を前提として書いてきましたが、一部にはRPA Expressの様な無償・無料で使用することができるフリーソフトやサービスも存在しています。
フリーソフトの場合は当然ですが、導入や運用にあたってのサポートなどは期待できません。
全て自己責任で行う必要がありますが、RPAツールがどんなものなのか試しに触ってみたいというケースや、課題は全て自分で調査・解決できるという方、機能を自分で使いこなせる方であれば十分選択肢になると思います。

また、下記の表は代表的な製品を今回ご紹介した分類に合わせて一覧化しました。

※本表では「サーバでロボットを一元的に管理できる」タイプをサーバ型と分類しています。
その為、「ロボットを複数同時に動かすことができない」物もサーバ型に含まれています。
※1 WinDirector併用
※2 NEC Software Robot Solutionマネージャ併用
※3 UiPath Orchestrator併用

 

すでに述べたように製品のレベルアップなどによって分類間の境界が無くなってきている部分もあるので大雑把な括りになりますが、参考情報としてご覧ください。

 

以上、今回はRPAツールを分類する際に良く用いられている特徴別の分類をまとめてみました。

RPAツールの導入を検討される際は、自社の目的や導入後の展開構想などに合わせて適切なツールを選択することが大事になりますので、ここで書いたような分類と自社の要件とを照らし合わせて考えてみてはいかがでしょうか。

 

※記載の社名・製品名は各社の商標または登録商標です。
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