【インタビュー】連続取得可能な休暇制度を確立し取得率98%!!メリハリのある働き方を推進
佐川フィナンシャル株式会社は、佐川急便を中核としたSGホールディングスグループの一員として物流決済事業および金融サービスを提供しています。有給休暇取得促進の仕組みづくりや新たな休暇制度の導入など働き方改革に積極的に取り組む職場として評価され平成29年度「東京ライフ・ワーク・バランス認定企業」に選定されました。
本日は、佐川フィナンシャル株式会社 管理部 原様、印南様、竹川様にお話を伺いました。
目次
従業員が働きやすく、やりがいのある組織へ
—取り組みを始めた目的や背景を教えてください。
「ワーク・ライフ・バランス」を実践していくことは組織力や人材力のアップにつながり、企業基盤の強化や事業の永続的発展に貢献する経営上の重要なテーマだと考え、労働時間の短縮、有給休暇の取得率向上などに取り組んでいます。
当社は設立13年ほどの比較的社歴が浅い会社ですので、ルールや環境の整備においてまだまだ発展の余地が多く残されています。
そこで、従業員の意見も取り入れながら働く環境を「働きやすい職場」へと改善し、さらには「働き甲斐のある職場」に進化させる改革を推進しています。
佐川フィナンシャル株式会社 代表取締役社長 中原 滋様(写真・左)、東京ライフ・ワーク・バランス認定証(写真・右)
働き甲斐のある職場にするための幅広いテーマを部署横断で議論
—グループ全体で取り組んでいる働き方改革のプロジェクトがあると伺いましたが。
はい。SGホールディングスグループ全体において、女性従業員の活躍推進と「ワーク・ライフ・バランス」の推進を目的に2011年に「わくわくウィメンズプロジェクト」を発足しグループ横断プロジェクトとしてグループ全社を挙げて積極的かつ継続的に取り組んでいます。
当プロジェクトにおいて、当社の女性従業員が部署横断でチームを組織し、労働環境改善、人材育成、売上貢献などの幅広いテーマに対し、自由闊達な意見交換を進め経営層に提言しています。
冒頭の「東京ライフ・ワーク・バランス認定企業」への応募も当プロジェクト内で「長く働きやすい職場環境」をテーマとしたチームが、さらなる働き方改革の推進を目的として自発的に行ったものです。
連続取得可能な休暇制度の確立
—貴社の有給休暇の取得率向上の取り組みについてお聞かせください。
2016年に、従業員が一定期間連続して休める制度構築に向けた取り組みを開始しました。
この仕組みを構築するにあたり、まずは休暇取得者がいても業務に支障が出ない体制を整えることが必要と考え、業務プロセスの見直しと業務の効率化を図りました。
また、休暇取得者の業務を代行できる体制づくりとして、業務マニュアル作成や計画的な人事ローテーションなど業務の複線化を行いました。
その上で「企業カレンダー(年間スケジュール表)」を作成し従業員の休暇取得予定を立てやすくするとともに、できるだけ6日連続勤務(月~土)にならないように推進しています。
また、従業員提案による新たな休暇制度『わくわく休暇』と『アニバーサリー休暇』を導入しました。
『わくわく休暇』は、有給取得を促進する上で土・日・祝日と合わせて4連休以上となるように、有給休暇とセットで取得する制度です。※
『アニバーサリー休暇』は、誕生日や結婚記念日等にあわせて休暇を取得できる制度です。
これらの休暇制度の取得率促進のため、従業員の休暇予定を全体で見えるようにして、各部署でメンバーのスケジュール調整と業務管理をスムーズに行えるようにしています。
※2018年度は5連休以上
そのほか中途採用者が入社後始めて迎える年末年始休暇対策として、「年末年始の特別休暇付与」という特別休暇をつくりました。当社の有給休暇の付与は3月又は9月であり、中途採用者の中には年末年始に出社が必要となる社員もいたため、特別休暇を付与して公平な休暇取得ができるようにしました。
中堅社員が休むことで休暇の取りやすい環境へ
—わくわく休暇、アニバーサリー休暇は、なんと取得率90%超だそうですね。何か普及のポイントになったのでしょうか。
みんなが休暇制度を取りやすい雰囲気を作り上げたことが大きなきっかけになったと思っています。中でも中堅の従業員が真っ先に制度を活用したことは、全体として休暇を取得しやすい環境になり取得率を90%超の達成の要因の1つだと思います。
また、これらの新たな休暇制度のルールを定めたことで連続休暇を取得することへの理解が深まったと考えています。
休暇取得状況とあわせ残業時間を管理職会議で共有
休暇取得状況とあわせて残業時間も管理職会議で共有することで休暇取得に対する意識が高まっています。
その他にも業務の複線化が達成され休暇を取得しやすい環境となりました。
「4連休以上の連続休暇」の取得率98%!!
—取り組みによる効果を教えて下さい。
平成28年度の「わくわく休暇」の取得率は98%、「アニバーサリー休暇」の取得率は93%。休暇を取りやすい環境になったことでゆっくり休みをすごせるようになり、結果として従業員の仕事へのモチベーション向上に貢献しています。また、業務の標準化や休暇取得者の業務を他のメンバーが代替することで業務の幅が広がりスキルアップに繋がっていると考えています。
内容を更に拡充し、より良い制度へ
—今後の展開を教えて下さい。
現在の連続休暇制度は土日あわせて4~5日間ですので、今後は連続休暇の期間を前後の土日をはさんで9日間まで引き上げたいです。
さらに、長く安心して働ける、働き甲斐のある職場環境の向上を目指して、次のような課題にも取り組んでいきます。
1つ目は、産休、育児休暇を取得した女性社員が1名職場復帰したので、制度利用期間中の会社側の対応や、今後のために参考意見をヒアリングし、より良い制度へ内容充実も図っていきたいです。
2つ目は、介護等の問題での離職を防ぐための取り組みが必要だと考えています。ご家族などの介護問題等に直面してしまい、どうしても仕事の継続や通常勤務が難しい場合に、従業員が自ら働き方を選択できる制度の拡充を図っていきたいと考えています。
3つ目は、ITを活用したテレワーク制度の導入についても万全なセキュリティ対策を行った上での導入を視野に入れています。地震などの災害発生時のBCP対策としても在宅勤務制度を活用していきたいです。
■会社データ
https://www.sg-financial.co.jp/
社名:佐川フィナンシャル株式会社
所在地:東京都江東区新砂1-8-10 SGHビル新砂2階
設立:2005年3月
従業員数:51名(2018年9月1日現在)
資本金:5,000万円
代表取締役:中原 滋
業種:決済代行業
事業内容:eコレクト(R)(代金引換サービス)事業を中核に、物流関連決済事業及び多様な金融サービスを展開。
※上記内容はインタビュー時点の情報に基づき作成されています。
※その他、記載されている社名、製品名またはサービス名は各社の商標または登録商標です。
筆者プロフィール
- 新しい「働き方」やそれを支えるITツールにアンテナを張っています。面白い働き方を実践している人はぜひ教えてください!
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