女性起業家・個人事業主が利用できる支援制度。いま注目の6つを解説

近年、女性の起業家や個人事業主が増えてきている中、注目を集めているのが女性起業家向けの支援制度です。事業を興す場合にはやはり資金が必要ですから、ぜひ利用したいものです。

そこで、女性の企業をサポートする国や地方自治体などが運営する支援制度についてご紹介します。どのような支援制度があるのかを知り、起業に役立ててください。

女性起業家向けの支援制度には3つのタイプがある

女性起業家向けの支援制度には助成金・補助金・融資の3つのタイプがありますが何が違うのでしょうか。それぞれの違いを説明しましょう。

助成金

助成金とは、国や地方公共団体に申請し、要件を満たせば受け取れるお金のことです。助成金は、原則返済不要です。要件をしっかりと確認して申請し、申請が通れば助成金を受け取ることが可能です。

補助金

補助金も助成金と同じで、国や地方公共団体に申請して審査に通れば受け取れる、返済不要のお金です。助成金と違うのは、全体の予算が決まっているということです。申請者が殺到して予算オーバーすると、審査に通らないことがあります。そのため、要件に合致していても、申請者が多い場合には受け取れない可能性もあるのでご注意ください。

融資

融資とは金融機関などがお金を貸してくれる制度なので返済をしなければなりません。融資条件や返済期限、利率などの確認は重要です。国や地方自治体によるサポート制度はさまざまなものがあり、内容が異なります。また、募集する時期や要件、内容は変わるため、最新の情報を「ミラサポ」や「J-Net21」などで確認してください。

  • ミラサポ(https://www.mirasapo.jp/subsidy/)

中小企業庁の委託事業として、ミラサポ運営事務局が運営するサイトです。

  • J-Net21(http://j-net21.smrj.go.jp/raise/index.html)

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するサイトです。

女性起業家が受けられる最新の支援制度

女性の起業家が受けられる、最新の支援制度をご紹介します。条件に合った支援制度を探し、申請してみてください。

女性、若者/シニア起業家支援資金

対象地域:全国、ただし、東日本大震災や熊本地震などの被災地エリアでの特例あり

対象者:女性、または、35歳未満か55歳以上で、新たに事業を始める方、または、事業開始後おおむね7年以内の方

金額:7,200万円(うち、運転資金4,800万円)

日本政策金融公庫が運営する、女性や若者、シニア世代の人が対象の支援資金制度です。女性なら誰でも対象になりますが、審査の結果、融資を受けられない場合もあります。融資金額が大きいのがメリットですが、返済が必要なので注意しましょう。返済期限は、設備資金の場合20年以内、運転資金の場合7年以内です。利率は、条件によって異なるので、申請時に自分がどの利率に当てはまるのかを確認してください。技術やノウハウなどに新規性がある場合、地方創生推進交付金を活用した場合など、利率が下がるケースもあります。東日本大震災や熊本地震の被災地になったエリアでは、同じ制度を別枠で利用できます。被災地エリアで起業をお考えの方は、確認してみてください。

新創業融資制度

対象地域:全国

対象者:新たに事業を始める方や、創業後2期を超えていない方

創業資金総額の1/10以上の自己資金がある方

(ただし、一定の勤務要件などがあれば、この条件は不要になる)

金額:3,000万円(うち運転資金1,500万円)

日本政策金融公庫が運営する、新しい事業を始める人や事業を開始して間もない人を支援するための融資制度です。融資なので返済は必要ですが、無担保・無保証人で利用できるというメリットがあります。融資金の使い道や返済期間、担保の有無などによって、利率が異なります。審査の結果融資を受けられない場合もあります。

若手・女性リーダー応援プログラム助成事業

対象地域:東京都

対象者:都内の商店街で開業予定の実店舗を持たない女性、または、39歳以下の若手男性

金額:助成率は3/4以内で、実務研修受講費のみ2/3以内

助成限度額は最大730万円(助成額は547万円)で、以下のような内訳です。

事業所整備費:400万円(助成額は300万円)

実務研修受講費:6万円(助成額は4万円)

店舗賃貸料:1年目は月15万円、2年目は月12万円(助成額は243万円)

都内の商店街で新規事業を始める女性や若手の男性を支援するための助成金制度です。公益財団法人の東京都中小企業振興公社が運営するものです。2019年の3月頃に第1回、6月頃に第2回のエントリーが完了しており、次は2019年の9月18日から10月8日にエントリー期間が設けられます。説明会も実施されますので、興味がある方は参加してみてください。

女性・若者・シニア創業サポート事業

対象地域:東京都

対象者:女性、39歳以下の若者、55歳以上のシニアで、創業する計画がある方、または、創業後5年未満の方

金額:融資限度額は1,500万円以内(うち、運転資金は750万円以内)

東京都が女性・若者・シニアの創業サポート事業として行っている支援事業です。信用金庫や信用組合からの低金利・無担保での融資を受けるための支援を受けることができます。利率は固定金利1%以内で、返済期間は10年以内です。また、融資以外にも、アドバイザーによるセミナーの受講や個別相談を利用でき、事業計画に関する無料アドバイスを受けられます。融資の実行日から最大5年間に経営のアドバイスや決算書の作成アドバイスを受けることも可能です。これから東京都内で事業を始める女性向けの支援事業です。

創業支援事業者補助金

対象地域:全国

対象者:新たに事業を創業する者であること

対象の事業は以下のとおりです。

・市区町村と民間事業者などが連携して実施する特定創業支援等事業であること。

特定創業支援等事業とは、継続的な支援で経営・財務・人材育成・販路開拓の知識が身につく事業のことを指します。

・創業機運醸成事業であること。

創業機運醸成事業とは、創業に対して無関心である人に対して、創業に関する普及、啓発を行う事業のことを指します。

金額:上限:1,000万円、下限:50万円、補助率は補助対象経費の2/3以内です。

この創業支援事業者補助金は、国から認定を受けた市区町村と連携した民間の支援事業者が行う、事業の創業支援に関する取り組みの経費を一部補助するものです。対象の市区町村に新たな雇用を創出していくことで、地域経済活性化を促進することを目的としています。

クラウドファンディング

助成金や補助金、融資制度以外にも、クラウドファンディングという資金集めの方法があります。起業する場合に事業計画を公表して賛同者を集め、資金を募る方法です。金融機関などの融資を受けずに起業できる点が大きなメリットといえます。

賛同者を集めることができれば、目標金額を大きく上回る資金を得ることも可能です。魅力的で誰もが応援したくなる事業を立ち上げる自信がある方は、クラウドファンディングに挑戦してみてはいかがでしょうか。

まとめ

女性が起業するときには、意外と知られていない多くの助成金や補助金、融資制度があります。国や地方自治体などが運営する支援制度は、「ミラサポ」や「J-Net21」などのサイトで最新情報を確認すると良いでしょう。

毎年募集される助成制度や新たな支援制度などもありますから、常に最新情報をチェックして自分に合った制度を探してみてください。また、助成金や補助金、融資制度以外にも、事業の賛同者から資金を募るクラウドファンディングという方法もあります。自分に合った支援制度を利用することは、起業の助けになるでしょう。

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