ワークシェアリングは働き方改革の助けになるか?気になる特徴を解説

ワークシェアリングという考え方をご存知でしょうか?

社員一人が担っていた仕事を、複数の人間が分担して行うことで業務負担の軽減を図り、効率的に業務を運営していく働き方です。ワークシェアリングによって企業の働き方改革が進むことが期待されています。しかし、ワークシェアリングについてほとんど知らないという企業も多いかもしれません。

そこで、ワークシェアリングとは何か、導入することでデメリットが生じることはないのか、デメリットを防ぐためにはどうすべきかなどについて解説していきます。

ひとりの仕事を複数人で担う「ワークシェアリング」

ワークシェアリングを導入すると、本来なら社員一人が担っていた仕事を複数人で分担するため、負担が減ります。しかし、未だに日本では仕事を「属人化」してしまうことが多いです。

例えば、Aさんが担当している仕事はAさんしか把握していないため、他の人員が代わりに対応することができず、ワークシェアリングを進めることが困難となります。ワークシェアリングを上手に進めるためには、仕事のマニュアル化や属人化の排除を行い、誰が担当しても同じ結果を出せるような仕組みを作る必要があります。そのため、単純作業やルーチン作業が多い職場の方が、ワークシェアリングの導入に向いているといえるでしょう。

ワークシェアリングの目的は「働き方改革」と「雇用創出」

ワークシェアリングの目的とは、一体何なのでしょうか?それは、「働き方改革」と「雇用の創出」の二つに分けることができます。

仕事ができる優秀な人材に仕事が集中してしまうと、一人の負担だけが大きくなってしまいます。それでは優秀な人材が疲弊し、過労で倒れたり辞めてしまったりすることもあります。限られた人材の中で仕事をやりくりすることは、企業側として人件費のコストを抑えられるかもしれませんが、労働者側の負担が大きくなってしまいます。そこで、仕事を分担することで負担を減らし、働き方改革につなげていくのです。

もう一つの目的が、雇用の創出です。労働者一人当たりの労働時間を削減すれば、より多くの雇用を創出することが可能になります。

ワークシェアリングには4パターンある

ワークシェアリングは雇用創出型、雇用維持型、緊急対応型、多様就業促進型の4つに分類することができます。この4パターンについて、詳しく見ていきたいと思います。

雇用創出型

複数人が仕事に関わることになれば、新たな雇用を生み出すことが可能です。そのため、不況時にワークシェアリングを導入する例もあります。

1980年代のオランダで起きた「オランダ病」に対する対策として取られたことでも有名です。当時のオランダでは北海で天然ガスが産出され、石油ショックにより天然ガス売却により多額の貿易黒字が発生した一方で、自国通貨高を招き、製造業などの国際競争力が低下しました。そのため、エネルギーブームが終わると景気は悪化し、製造業などで働いていた人々が失業者となり失業率が14%にまで上昇しました。この「オランダ病」に対しオランダ政府はワークシェアリングを推進することで雇用創出を実現しました。

雇用維持型

不況になると企業は従業員をリストラする必要に迫られます。この時、リストラを回避して従業員の雇用を守るためにも、ワークシェアリングは有効な手段です。不況に陥ると仕事が減りますが、従業員一人一人の仕事量を減らして他の従業員に仕事を割り当て、雇用を維持しようというものです。

緊急対応型

大口の取引先との取引が停止した、火災により工場の一時閉鎖を余儀なくされたなどの緊急事態にも、企業は雇用を維持しなければなりません。その際に、雇用維持型と同じ考え方で雇用を維持することで、緊急時に対応することが可能です。従業員一人の仕事は減りますが、このような一時的な対応で緊急事態を乗り切ることができます。

多様就業促進型

フルタイムの正社員が9時から5時まで働くなどという一定の働き方だけではなく、フレックスタイムやテレワーク、短時間勤務などの多様な働き方を取り入れる方法です。働き方の選択肢を増やすことで、企業と労働者の両方のニーズを叶えることが可能になります。そして、雇用機会を創出し維持することにもつながります。

ワークシェアリングにはデメリットも多い

ワークシェアリングを行うことで、雇用の創出や維持、従業員の負担軽減など多くのメリットが得られることがわかりました。しかし、一方でデメリットも存在します。それは何なのか、見てみましょう。

リソース増加による一人当たりの賃金低下

従業員一人一人の仕事を減らし他の従業員に分担するということは、リソースが増加し一人当たりの仕事量が減るということです。これは、従業員一人当たりの賃金の低下につながります。

かえって生産性が下がる可能性がある

一つの仕事を複数人で分担すると生産性が向上するイメージがありますが、必ずしもそうではありません。仕事に関わる人が増えると、仕事内容を共有するためのマニュアル作成作業や、分担する際に管理作業が発生します。この増えた作業によりかえって生産性が低下することもあります。また、一つの仕事に無理に多くの人が関わってしまうと混乱を招き、かえって生産性が下がることもあり得ます。ワークシェアリングを上手に進めるためには、対象業務の選定を行い、作業分担の方法や作業管理方法などをしっかりと計画しておかないと、生産性を上げることは難しいでしょう。

ワークシェアリングの対象とする業務選定が重要

ワークシェアリングを導入することで、かえって生産性が落ちることもあるとお話ししました。

生産性を向上させるためには、対象となる業務の選定が最も重要です。例えば、顧客対応の営業案件を他の社員に割り振っても、うまくいくケースは少ないでしょう。なぜなら、営業担当は顧客との関係を良好なものにするため、毎日コツコツと営業活動を続けています。顧客側としても長く付き合いのある営業担当だからこそ、安心してサービスを受けようという気になるはずです。そのため、顧客対応のような属人性の高い業務はワークシェアリングに向きません。データ入力作業やマニュアルに沿った文書作成、製造作業のような単純作業やルーチン作業が向いているでしょう。

働き方改革を促進する他の手段も検討する

働き方改革を進めるために、ワークシェアリングは非常に有効な手段です。しかし、それだけで職場の生産性の向上が進むわけではありません。ワークシェアリング以外に有効な手段は存在しますし、それぞれの企業によって仕事の内容も働き方も異なるため改革の方法もさまざまです。色々な手段を検討し、それぞれの企業に合った改革の方法を見つけ出し、独自に改革していく必要があるのです。ワークシェアリング以外にも、テレワーク制度や短時間労働、定年後の人材や女性の登用の活性化など多様な働き方を受け入れることで、働き方改革の相乗効果が高まっていきます。

企業ごとに働き方の問題点を探り、問題の本質を突いた改革を推進していく必要があるでしょう。

まとめ

ワークシェアリングは、働き方改革を推進し雇用を創出するための有効な手段であることがわかっていただけたと思います。

ただし、働き方改革を成功させるためには、それぞれの企業に適した形で改革を推進しなければなりません。

ワークシェアリングには雇用創出型、雇用維持型、緊急対応型、多様就業促進型の4つの分類が存在し、それぞれの企業は自社の状況に適した形を選ぶ必要があります。

しかし、リソース増加による一人当たりの賃金低下や、生産性が下がる可能性があるというデメリットが生じることもあります。

このようなデメリットを防ぐためには、対象とする業務選定が重要であり、働き方改革を促進する他の手段も検討することで、多角的に働き方改革を進めるべきでしょう。

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