AIと業務システム
前回は、AI全般について書きましたが、今回は、業務においてどのような使い方がされているのか、業務システムに組み込まれるAIにはどのようなものがあるのか、について見ていきたいと思います。
目次
ChatGPTでもできるビジネスシーンへの活用方法
手軽に始められるAIとして、ChatGPTがありますが、前回も少し触れましたが、ビジネスシーンでもこれを使って下記のようなことができます。
・パワーポイントで企画書やプレゼン資料のベースを作る
・メールの文章を考える
・製品マニュアルをまとめる
・顧客からの問い合わせ対応
など
他にもアイデア次第で様々なことができる可能性があるでしょう。
AIとRPA
自動化というと、RPA(Robotic Process Automation)が思い浮かぶ方も多いと思います。AIとRPAはよく混同されますが、AIは「学習した情報を基に判断を行う」のに対して、RPAは「手順の決まった作業を自動化する」という点で異なります。
業務システムにAIを組み込むメリット
最近は、CMなどで見るように、業務システムにもAIが使われ始めてきているようですが、業務システムにAIを導入するメリットはどのようなものが考えられるでしょうか。
ひとつに、AIの導入により、業務を大幅に効率化できれば、労働力不足の解消ができるでしょう。特にAIは決まった作業を行うのが得意なので、そのような業務に活用するとよいと言われています。
ふたつめに、生産性の向上があります。これは、業務システムにAIを導入することで多くの作業が自動化できると言われているためです。作業できる時間帯も、最大24時間作業することも可能なので、これまで社員が3日かけてやっていた単純作業が、1日で完了するなんてこともできるかもしれませんし、使い方次第では、社員の作業量を減らすこともできます。
みっつめに、人的ミスの低減があります。繰り返しの作業などでは、人間はミスをしてしまうことがありますが、AIを活用した業務システムであれば、ミスをせずに繰り返しの作業を行うことができます。また、AIは異常を検知する役割も果たすと言われているので、システムの手前であった人的ミスなどをいち早く発見することも可能です。
業務システム×AIの事例
実際AIがどのように組み込まれているのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
事例その1 AI-OCR
OCRとは、手書きや印刷などで入力された文字情報を、デジタルな文字コードに変換する技術の総称です。紙やPDFファイルの書類を画像情報として読み取り、そこから文字情報を抽出するといった使われ方が一般的です。
AI-OCRは、OCRをAIの力で強化したもの、と言われています。従来のOCR処理をAI技術の一要素であるディープラーニングによって強化したツールとなります。
OCRとAI-OCRの違いはなんでしょうか。既存のOCRは「画像取り込み」→「レイアウト解析」→「行(項目)の切り出し」→「文字切り出し」→「文字認識」→「出力」という流れで進みます。これに対して、AI-OCRは、ディープラーニングによって「レイアウト解析」「行(項目)の切り出し」「文字切り出し」「文字認識」の精度が向上していますので、行や文字が接触していたり、かすれ文字があったり、取り消し線がある場合でも文字が認識できるところなどが強化されているポイントでしょう。
事例その2 請求書発行や債権債務管理などの顧客情報を管理するシステム
このようなシステムにおいては、請求書発行の時に送付するメールの文面を作成したり、未入金の顧客への案内メールを作成したり、そういった作業が発生すると思います。通常のシステムでもある程度のテンプレートはあるでしょう。しかしAIには学習機能があるので、顧客の特性を考えて文面を作成することが可能です。この顧客にはこういう文面を送る、ということをAIが考えて作成してくれるようになるでしょう。
事例その3 AIチャットによるサポート
いまでは、ホームページの問い合わせなどでもよくAIチャットを見るようになりましたが、システム内でもAIチャットを活用し始めてきているようです。
システム内でチャットを起動して、例えば法律や制度の改正の情報、システム全般についての処理手順、業務の進め方などを聞けば答えてくれるような機能です。
これまでは、操作方法がわからないときなどはその都度マニュアルを見て、該当項目を探して、そこから自分が知りたい情報を探す、といった非常に手間のかかる作業が必要でしたが、AIチャットに聞けばそれらをまとめて回答してくれるので、システムに慣れていない人でも、操作に戸惑うことなく業務を進められるようになるでしょう。
まとめ
業務システムとAIを組み合わせた事例を見てきましたが、正直なところ、まだAIの可能性を考えると、ほんの一部しか力が発揮されていないような状況かなと感じました。今回の執筆を機に、実際にAIを使ってみましたが、不正確な部分もあると感じましたし、まだまだ人間のチェックが必要な段階なのかなと思います。ただ、技術の進歩の勢いはものすごく速いと聞いていますので、今後、そういった不正確な部分も修正されていくのでしょう。あと数年したら、「昔のAIはいい加減だったな」、なんて言われる日がくるのでしょうか。
※本記事の正確性については最善を尽くしますが、これらについて何ら保証するものではありません。本記事の情報は執筆時点(2025年10月)における情報であり、掲載情報が実際と一致しなくなる場合があります。必ず最新情報をご確認ください。
筆者プロフィール

- ビーブレイクシステムズ
- 家電量販店でウィンドウショッピングするのが好きです。
最新記事一覧
トレンド2025年10月30日AIと業務システム
トレンド2025年10月1日AIのこれまでとこれから
ERP2025年8月28日MA-EYES新機能「表部品」の設定方法とユースケース
ビジネス資格2025年7月31日2025年ビジネスパーソンにオススメの資格とは
【オンラインセミナー定期開催中】法改正、IT導入補助金、内部統制、業務の効率化など
いま解決したい課題のヒントになるかもしれません。ぜひお気軽ご参加ください!




