RPA導入で失敗しないために!落とし穴にはまらない成功のポイント

人手不足の解消や働き方改革が求められる中、救世主として期待されているのがRPAの導入です。人が定義できるデスクトップ上の作業を自動化できる、RPAを導入することで、作業効率は大幅にアップすると考えられています。

ところが、RPAはただ導入すれば良いというものではありません。RPAを導入したにも関わらず作業効率が改善しないばかりか、かえって職場に混乱を招くこともあります。

今回は、RPA導入時に失敗しないためのポイントについてご説明します。

 

RPAの導入が失敗してしまう原因

RPAの導入時に失敗を招く原因とは、一体何なのでしょうか?よくある失敗の原因について見てみましょう。

RPAツールが自社の業務内容に合っていない

RPAツールの導入に適しているのは、あいまいな判断を必要としないルーティンワーク、単純作業の積み重ねや大量のデータの取り扱いなどです。作業の内容によっては効果を得られないケースもあります。自社の業務内容が、常に人間による創意工夫や、あいまいな事象に対する判断が必要となる場合、RPAがうまく適合しないかもしれません。導入しても効果を得られない可能性があります。

例えば、大量のデータを取り扱う作業にRPAを導入したとします。

この時、エラーチェックの仕様やエラーコードがしっかりと定義されていれば、エラー内容に従ってRPAを稼働させることができます。しかし、エラーの仕様があいまいで、どのエラーも一律のエラーコードしか設定されていない場合、RPAツールが対応できません。エラー発生時には必ずRPAツールが止まってしまうなどという、使いづらい状況になることが予想されます。それでは、人がつきっきりでエラー対応しなければならず、作業効率を上げることは難しいでしょう。もし、エラーコードが適切に設定されていれば、軽微なエラーの際はスキップしてログ出力後に処理をする、重大なエラー発生時のみ強制終了する、などと処理を分けることができます。

そのため、導入前に、自社の業務内容がRPAに適しているのかを検討する必要があるのです。

RPAを導入する業務範囲が適切でない

RPAを導入することで、大きな効果を得られる業務とそうでない業務があります。自社の業務内容を細かく検討し、導入することで作業効率を高められるか検証する必要があります。検証が不十分でRPAの導入に適していない範囲にまで適用してしまうと、失敗することがあります。

例えば、顧客からの問い合わせに対する自動応答システムにRPAを導入するとします。

問い合わせの入力フォームが、問い合わせ種別や問い合わせ個所など細かくチェックボックスなどで入力できるようになっていれば、RPAツールによる判断が可能です。ところが、フリーフォーマットの問い合わせ内容の入力に対してまで適用範囲を広げてしまうと、失敗する可能性は高いでしょう。フリーフォーマットで入力された言語に対してツールに自動応答させるためには、高度な言語処理システムが必要です。もし対応できたとしても、クレームに対してツールによる不適切な応答をしてしまうことも考えられます。その結果、さらなるクレームを呼ぶ可能性もあります。

このように、RPAを導入する際には、適用する範囲を十分検討する必要があります。どこまで適用すれば効果が得られるのかを、事前に細かく検証しなければならないでしょう。

経営戦略の策定が不十分

RPAを導入する際には、社内の作業効率を改善するという大きな目的があります。目的を達成できれば、人材の再配置やコスト振り分けの変更など経営戦略に大きく変更が生じるでしょう。もちろん、高価なRPAシステムを導入するので、導入コストという点でも経営戦略に影響が大きいはずです。

しかし、RPA導入に際して経営戦略があいまいでは、成功する可能性は低いでしょう。導入の目的や目標は何なのか、作業時間を何%改善したいのか、コスト削減率は何%を目標とするのかなどを明確にしなければなりません。経営戦略の軸が定まっておらず、最終的にRPAを導入することしか考えられなくなってしまうケースも見られます。それでは、成功する可能性は低いでしょう。

 

失敗しないためのRPA導入ポイント

RPAの導入を失敗しないためには、どうすれば良いのでしょうか?失敗を防ぐためのポイントを見ていきましょう。

導入前の準備・計画を抜かりなく行う

導入前の準備や計画を綿密に行うことは、非常に重要です。導入前の準備でも特に重要なのが、適用する業務の詳細な調査です。データの入出力やデータ形式、判断の分岐、既存システムの処理内容やエラー処理など、細かい観点でかなり詳細に調査する必要があります。そして、どの業務に作業者への負荷がかかっているのか、どこにRPAを導入するのが最も効果が高いのかを検証しなければなりません。RPAを導入する際には、コストと手間がかかります。そのため、費用対効果をじっくりと検討し、最適な導入範囲と処理内容を決めておく必要があります。

実際にRPAを導入する前には、無理のない導入計画を立てておく必要もあります。導入スケジュールや担当人員の配置はもちろん、万一導入に失敗した際に元に戻すための計画なども必要です。

導入前の準備作業は、ある程度のまとまった作業になることが予想されます。RPAの導入には、担当する人員やスケジュールの計画も必要です。

まずは限られた業務範囲から段階的に導入する

導入の準備が整ったらいよいよ導入作業に入りますが、いきなりすべての範囲に導入するのはかなりの危険が伴います。まずは、プロトタイプ的なRPAツールを作成し、業務範囲を限って導入するのが良いでしょう。どんなに綿密に計画を立てても、実際に対応してみなければわからないことがあります。プロトタイプを導入することで、実際の作業の流れや使用感を確認することができるのでおすすめです。

RPAという手段を目的化しない

RPA導入の良くある失敗が、RPAを導入するための目的が失われてもはやRPA導入が目的になってしまうという失敗です。RPAを導入しているという実績が欲しい、最新鋭のRPAという仕組みを導入するなどということにこだわり過ぎると、失敗することは目に見えています。RPAを導入することにより何をどれだけ改善したいのか、何を成果としてとらえるのかという軸を決めておかないと、本末転倒になるでしょう。

RPA運用中も徹底した管理体制で生産性をキープ

RPAの導入が無事に終わったとしても、油断は禁物です。RPAを運用している際にも、徹底した管理体制を敷きましょう。よくあるのが、表面上は問題なく動いているようでも、実際はエラーが頻発しているというケースです。RPAを導入する際には、処理結果やエラー処理を可視化しておかないと、実際は処理が何もうまくいっていないということもあります。

問題なく稼働し始めても、管理体制を整えておく必要があります。例えば、無駄なログ出力が増えて処理が遅延する、業務が変更になってエラーが頻発するなどということも考えられます。

処理のチェック体制や問題発生時の体制を整えておかなければ、高い生産性を維持することは難しいでしょう。

まとめ

RPAの導入時にいかに失敗を防ぐかについてお話してきました。RPAに適した業務は結果判断や定義が明確な処理、大量のデータの扱い、単純作業などです。また、社内のシステムがRPAに適合していなければ、導入しても失敗する可能性が高くなります。もちろん、経営戦略の軸を明確にしておかなければ、導入を成功させることは難しいでしょう。導入に際しては、導入前の準備と計画、プロトタイプ導入による検証、導入の目的を明確にしておくなどの注意が必要です。導入後も生産性を落とさないために管理体制を整備しておく必要もあるでしょう。

RPAの導入は非常に難しいプロジェクトですが、ここでご説明したような点に注意して失敗を防ぐようにしていただきたいものです。

 

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